ダナンやフエの空港から行けるベトナム中部の世界遺産4選 その歴史や見どころをご紹介
東南アジアの中でも人気が高い観光地・ベトナム。フランス統治時代の面影が残るホーチミンの街並みやリゾート地として有名なダナンなど、ベトナムには見どころがたくさんあります。そのなかでもベトナム中部に点在する世界遺産の数々は、ベトナムの多彩な歴史を深く知ることができる重要な観光スポットです。今回はダナンやフエの空港から移動圏内にある世界遺産を4つ、その歴史や見どころともに紹介していきます。
ベトナム中部の世界遺産の特徴
東南アジアの中でも人気が高い観光地・ベトナム
ベトナム旅行といえばホーチミンや首都・ハノイが一般的ですが、歴史を感じさせてくれる世界遺産を巡りたいのなら中部エリアを旅してみましょう。ホイアンやダナン、フエなどが位置するベトナム中部エリアには、「ホイアン」「ミーソン遺跡」「フォンニャ ケバン国立公園」「フエの建造物群」の4つの世界遺産が集結しています。
ベトナムの古都「ホイアン」
ベトナム中部の世界遺産は多種多様な点が大きな特徴といえるでしょう。例えば古都「ホイアン」は街並みすべてが世界遺産に登録されているので、街歩きが楽しめますが、ほかは異国情緒あふれる遺跡群だったり歴史が残る王宮だったりと、それぞれ趣が異なります。
ベトナムの異国情緒あふれる遺跡群
実はベトナムには全部で8つの世界遺産があるのですが、そのうち4つはベトナム中部に点在しているんです。せっかくのベトナム旅行、ホーチミンやハノイを満喫するのも素敵ですが、せっかくならベトナムが誇る世界遺産も巡ってみてはいかがでしょうか。
絶対的人気の古都「ホイアン」で街歩き
ホイアンは市街地全体が世界遺産に登録されている
ダナンの空港からバスで1時間弱くらいの距離にある古都・ホイアンは市街地全体が世界遺産に登録されている人気の観光スポットです。黄色みがかかった家屋が街全体に点在していて、何ともノスタルジックで異国情緒あふれる景色が楽しめます。
ホイアンは、13世紀頃から貿易港として栄えた港町です。オランダやポルトガル、中国との交流が深かったため、街中にはいろいろな文化が垣間見えます。ちなみに当時は日本人も貿易のためにホイアンを訪れており、17世紀には日本人町も形成されたほど多くの人が移り住んでいたそうです。しかしその後は江戸幕府の鎖国政策により日本人は帰国せざるを得なくなったことで、日本人町は衰退を余儀なくされたとか。
来遠橋(日本橋)
ホイアンの町のシンボルにもなっている「来遠橋(日本橋)」。こちらはかつてホイアンに居住していた日本人が建築したという歴史あるスポットです。ホイアンにはほかにも歴史の面影が残る建築物が数多く残されいるのでぜひ街歩きで巡ってみましょう。建物によっては中に入って当時のホイアンの人々の生活に触れることもできますよ。
ホイアンで定期的に開催される「ランタン祭り」
ホイアンの町は明るい昼間も素敵ですが、夜になるとまた違った美しい景色が楽しめます。特にホイアンで定期的に開催される「ランタン祭り」の時は、軒先やトゥボン川沿いに色とりどりのランタンが飾られ、幻想的な夜景が広がるのでぜひ出かけてみてください。きっと今までに見たことがない絶景に出会えますよ。
古のヒンドゥー文化の面影が残る「ミーソン遺跡」
ミーソン遺跡
1999年にホイアンとともに世界遺産に認定された「ミーソン遺跡」。ダナンからは車で約1時間の距離にあります。小高い山のアマゾンの中に隠れているかのようにある遺跡なので、訪れる際はツアーの利用がオススメ!また、遺跡の中にはベンチは少し配置されているものの、ちょっと暑さを凌げるような木陰はほとんどないので、水分や帽子などの熱中症対策になるアイテムは必ず持参するようにしましょう。
「ミーソン遺跡」はチャンパ王国の聖地として崇められている
「ミーソン遺跡」は4~13世紀にチャム族が築いたチャンパ王国の遺跡です。草木が生い茂る中に佇むこの地はチャンパ王国の聖地として崇められており、遺跡群はミーソン聖域の名でも親しまれています。
チャンパ王国はもともとアラブ諸国やインド、中国の中継貿易で栄えた王国でした。なかでも特にインドの影響を強く受けていたそうで、ミーソン遺跡の現存する建築物にはヒンドゥー教の特徴が強く現れています。
レンガ造りの堂塔
遺跡内には歴代の王達の遺品が納められていたというヒンドゥー教の砂岩やレンガ造りの堂塔が70あまり現存しています。時間を経て苔生した堂塔のなかには歴代の王たちの遺物が納められていたとか。外観にはヒンドゥー教の文様や女神のレリーフが彫られていて、どこか神秘的な雰囲気が味わえます。
ヒンドゥー教の文様や女神のレリーフが彫られている
ミーソン遺跡内は広大ですべて見て周るには歩いて2時間くらいかかるので、体力に自信がない方は興味があるスポットだけ巡ってみるのも良いでしょう。遺跡内はA~Hのアルファベットでグループ分けされていますが、なかでも観光客に一番人気があるのがB、C、Dのエリアです。これらのエリアはミーソン遺跡の中でも保存状態が良く、見どころもたくさんあります。
興味があるスポットだけ巡ってみるのも良い
例えばグループBの宝物庫は保存状態が素晴らしく、内蔵されているヒンドゥー教の女神像もとても美しいのでぜひ!また、グループCでは女性器と男性器の象徴とされるリンガとヨニも見ることができます。
素晴らしい遺跡がさらに発掘されるかも!
遺跡内には残念ながらベトナム戦争で無残に破壊されたり心無い人々に盗まれたりして破損している場所もありますが、修復も徐々に進められています。そしてミーソン遺跡はまだ実は発掘途中!これからまだ素晴らしい遺跡が発掘されるかもしれないと思うとなんだかワクワクしてきませんか?古のヒンドゥー文化が残るミーソン遺跡、ぜひ訪れてみてください。
冒険気分が味わえる2つの洞窟が魅力「フォンニャ ケバン国立公園」
フォンニャ ケバン国立公園
「フォンニャ ケバン国立公園」は2003年に世界遺産に登録された原生林が生い茂る自然豊かなスポットです。フエやダナンからは、一度中部にあるドンホイという街を経由して向かうルートが一般的です。ドンホイからは車で1時間くらいの距離にあるので、国立公園内をいろいろ巡りたいという方はドンホイに滞在すると良いでしょう。
2つの洞窟が魅力
フォンニャ ケバン国立公園の敷地面積は新潟県の佐渡島とほぼ同じなのだとか!原生林が生い茂り、多種多様な動植物が生息している広大な公園内には大小合わせて300以上の洞窟があると言われていますが、そのうち人が入ることができるのは2つの洞窟だけ!それが「フォンニャ洞窟」と「ティエンソン洞窟」です。
ボートに乗りながら洞窟内を見物
2つの洞窟は同じ山にあるので、ぜひ両方訪れてみましょう。まずは舟付き場からボートでフォンニャ洞窟へ。フォンニャ洞窟は“風の牙の洞窟”という意味を持つスポットで、最初はボートに乗りながら洞窟内を見物し、終盤は歩いて散策します。ダイナミックに突き出している鍾乳石を間近に見ながらボートで進んでいくので、まるでインディ・ジョーズの世界に迷い込んだかのような冒険気分が楽しめますよ。
神秘的な光景が楽しめる
ティエンソン洞窟はフォンニャ洞窟を出て500段位の階段を上った先にあります。こちらの洞窟は歩いて散策が楽しめるので、ぜひゆっくりと巡ってみてください。洞窟内ではSF映画の1シーンのような神秘的な光景が楽しめます。こちらは階段を上らなければ入れないこともあり、フォンニャ洞窟よりも観光客は少なめなので、ゆっくりと鍾乳石を堪能したいという方はぜひ!
豪華絢爛な王宮や個性が光る帝廟をぜひ!フエの建造物「グエン朝の都」
フエの建造物「グエン朝の都」
フエはベトナム最後の王朝であるグエン朝の都として栄えた街です。フエ空港から市内まではバスで約20~30分の距離にあります。
1933年に王宮をはじめとするフエの数々の歴史的建造物が、ベトナム初となる世界遺産に登録されました。今でも歴史を感じさせてくれる建造物が現存しており、日本で言う京都のような古き良き情緒が楽しめます。
旧市街に広がる王宮
フエには見どころがたくさんありますが、なかでも外せない観光スポットが旧市街に広がる王宮です。フエン川の左岸に佇む王宮は、初代ザーロン帝が1805年から中国の紫禁城を見本に造営をはじめ、2代目ミンマン帝の時に完成したという歴史ある建造物のひとつ。王宮内には金箔が施された豪華絢爛な玉座や、竜や花鳥の装飾が美しい顕仁門など、中国文化の影響を受けた煌びやかさが感じられる場所がたくさんあります。敷地内に位置する閲是堂では1日2回、10時と15時にフエ伝統の宮廷音楽を楽しめるイベントも開催されているので、時間が合えばぜひ!
カイディン帝廟
フエ郊外には歴代皇帝の廟も点在しています。なかでも12代目皇帝のカイディン帝廟は仏教、ヒンドゥー教、キリスト教などさまざまな宗教の建築様式が融合した建物となっており、廟とは思えないくらい派手な造りが特徴的です。帝廟はそれぞれ建築様式や雰囲気が異なるので、ぜひ巡ってみてください。
ベトナム中部の世界遺産を巡る旅へ
いかがでしたか?ベトナム中部に位置する4つの世界遺産は、すべてフエやダナンの空港からバスやタクシーでアクセス可能です。どうしても見てみたいスポットだけを絞って観光を楽しんでみても良いですが、4つすべての世界遺産を巡りたいという方はダナンを拠点に滞在するプランがオススメ!ダナンを拠点にすれば、2~3泊あればすべての世界遺産を巡ることができますよ。せっかくベトナムを旅行するのなら、ぜひバラエティ豊かなベトナムの世界遺産を巡るプランも検討してみてください。