バリ島の世界遺産5選!見どころを徹底紹介!
バリ島には数々の世界遺産があります。ビーチやリゾートが有名なバリ島ですが、古代遺跡や由緒ある寺院も数多く存在します。2012年にユネスコによってバリ島で初めて世界遺産に認定された名所をご紹介します。ぜひ観光のひとつとして参考にしてくださいね。
タバナン県、プクリサン川のスバック灌漑施設とその景観
バリ島にはたくさんの棚田があり、水田の二毛作から三毛作を行っています。棚田に水を十分行き渡らせる灌漑(かんがい)施設がスバック。バリ島に1000年以上前から伝わる灌漑法と言われる伝統的な水利システムなのです。そしてそのスバックが織りなすライステラスの美しい景色は世界中のツーリストから愛されています。
ライステラスの美しい景色
プクリサン川はキンタマーニ高原から流れる聖なる川とされており、「ここだけは行っておきたい!バリ島の代表寺院5選」記事でも紹介した「ティルタエンプル寺院」の聖なる泉は、プクリサン川が源流となっているとされ、世界遺産の一部となっています。
ティルタエンプル寺院の聖なる泉はプクリサン川が源流
その他にも、巨大な石の像が断崖絶壁に掘られた、王家の墓とされている「グヌン・カウィ」も世界遺産の一部となっています。バリの英雄クボ・イワによって一夜で彫刻されたと言われており、美しい川の景色やバリ島の大自然の中、巨大石像までの300段の階段を歩く道のりも見どころのひとつです。
王家の墓とされている「グヌン・カウィ」
プクリサン川周辺の村のライステラスの中にある「イエ・プル遺跡」もそのひとつ。25メートルにも及ぶ石に彫刻されたヒンズー教の神々のレリーフが美しい14世紀頃の遺跡です。ライステラスを眺めながら歩く遺跡までの道もバリらしい景色です。
プクリサン川周辺の村のライステラスの中にある「イエ・プル遺跡」
この辺りはパワースポットとしても良く知られています。バリの古代遺跡を巡るツアーなども用意されており、カーチャーターをしてウブドから出発し遺跡巡りを楽しむのもおすすめです。空港のあるクタエリアから車で1時間半〜2時間、ウブドエリアからも車で30分〜1時間弱のエリアにあります。
バトゥカル山のスバック灌漑施設とその景観
ジャティルイのライステラス
世界遺産となっているバトゥカル山のスバック灌漑施設とその景観には、水田管理の良好さが評価されたタバナン県のジャティルイが含まれます。美しいライステラス(棚田)で有名なエリアで、以前では日本人観光客の観光ツアーではエリアが離れているため、あまり予定に組み込まれることはありませんでしたが、欧米人のツアーではよく利用されているスポットです。傾斜を生かして作られた悠々と広がるライステラスの眺めは絶景です。
ジャティルイの田植え風景
スバックは、「トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム」とも呼ばれ、水を神として崇めるヒンドゥー哲学の影響を受け、2000年前にバリとインドとの文化的交流の中で誕生した哲学的概念です。サンスクリット語の「トリ」(3つ)、「ヒタ」(安全、繁栄、喜び)、「カラナ」(理由)に由来し、神・人間・自然の3つの調和を尊重し、自然と人間の共存を理想とする考え方です。「ゴトンロヨン」と呼ばれる村の古くからの相互協力のシステムも保存されています。ツアーでは美しい棚田の景色を見ながらのランチや、棚田を散歩するショートトレッキングも楽しめます。バリ島では二毛作から三毛作で田植えや稲刈りを行っているので、それぞれの時期もまちまち。空港のあるクタエリアから車で2時間ほどです。
美しい棚田の景色を見ながらのランチを楽しめるツアーも
ウルン・ダヌ・バトゥール寺院
ウルンダヌ・バトゥール寺院
バリ島のキンタマーニ高原にある、水にまつわる寺院ウルン・ダヌ・バトゥール寺院。バトゥール湖の湖畔に建ち、湖の守護神である水の女神、デウィ・ウルン・ダヌが祀られています。バリ州の文化的景観として世界遺産に登録されています。
バリ風情のある厳かな雰囲気が漂う
バリ島の中でも格式の高い寺院とされ、大きなチャンディ(霊廟の意味)と呼ばれるバリスタイルの建物を挟むように両サイドに建つ割れ門や9層のメル(多重層)の建物など、バリ風情のある厳かな雰囲気が漂います。
空港のあるクタエリアから車で2時間強の距離で、ウブドからも1時間ほど行った辺りです。もともと仏教遺跡であったことから、仏像や仏教寺院の名残も見ることができます。バリらしい割れ門や寺院からはバトゥール山とバトゥール湖を一望する美しい景色を楽しめます。拝観する時は入場料お一人様Rp.2万を払い、正装のための腰巻きのサロンの着用が必要になります。入り口で有料でレンタルすることもできますが、料金があまり定まっていないため、ガイドさんに用意してもらうかご自分で腰に巻けるような布を持参することをおすすめします。
バトゥール山とバトゥール湖を一望する美しい景色も楽しめる
バトゥール湖
バリ島北東部のキンタマーニ高原にあるバトゥール湖は、バトゥール山の巨大カルデラの中にある火山湖です。上記のスバック灌漑施設にとって重要な川や泉を司る女神、デウィ・ダヌが住んでいると考えられており、ヒンズー教の信仰と深く結びついています。各地の水田の水源となっていることから、「バリ島の文化的景観」のひとつとして世界遺産に認定されました。バリ島で一番大きな湖で、湖をバックにそびえるバトゥール山との美しい景色を眺められるよう、レストランやカフェも多く用意されています。
バトゥール湖はバリ島で一番大きな湖
近隣にはトヤブンカという温泉のあるエリアにバトゥール・ナチュラル・ホットスプリング、トヤデヴァシャなどの温泉施設があります。バトゥール・ナチュラル・ホットスプリングはローカル客が多く、トヤ・デヴァシャはホテルやスパ、レストランが併設されていて、観光客にはトヤデヴァシャのほうが利用しやすいかもしれません。どちらもバトゥール湖が見渡せる眺めのいい温泉で、ロッカーとタオルの貸し出しがあります。こちらは水着をご持参くださいね。
バトゥール湖温泉
東岸には風葬で有名なトゥルニャンがあります。トゥルニャンは古くからバリ島に住む純粋な血筋の原住民バリアガが住むエリアとしても知られており、鳥葬とも風葬とも言われるユニークな埋葬の仕方を見学に行く観光客もいます。バトゥール湖からは船でのみ渡ることができます。
トゥルニャン村
キンタマーニ高原も水にまつわる文化的景観としてバトゥール湖とともに世界遺産に指定されています。景色も美しい世界遺産になっているキンタマーニ高原エリアにもぜひ足を運んでみてくださいね。
キンタマーニ高原
タマンアユン寺院
タマンアユン寺院
バリ島6大寺院のひとつと言われており、バリ島の中西部、タバナン県メングイにある寺院です。「美しい庭」という意味の名前を持ち、メングイ王国の王国のお寺として17世紀頃に建立されたと言われています。広大な敷地の中にはメルと呼ばれる茅葺きの屋根が何重にも積み重なった塔が10基あり、その周りを水の水路が囲んでいます。ロイヤル・ウォーター・テンプルと呼ばれる王族の水の寺院と呼ばれる由縁ですね。境内ではバリの割れ門やヴィシュヌ神やガルーダなどの石像を至る所で見ることができ、手入れのされた庭園の風情のある景色が広がります。
境内ではヴィシュヌ神やガルーダなどの石像を至る所で見ることができる
そしてこの水路が近隣の水田に水を引く役目を果たして来たことが、世界遺産に登録された理由でもありました。美しい景色というだけでなく、近隣の住民の生活にも密着してきたんですね。そして恋愛の神様の寺院としても知られており、カップルで訪れる観光客や縁結びの祈願に訪れる人もいるそうです。
近隣の住民の生活にも密着してきた寺院
入場料はお一人様Rp.2万を払い、拝観の正装のための腰巻きのサロンは入り口で無料で貸してくれます。タマンアユン寺院のあるメングイまでは空港のあるクタエリアから車で1時間半ほどの距離です。
境内ではバリの割れ門も見ることができる
魅力的なバリ島の世界遺産は、ガイドさんと一緒に訪れるのがおすすめ!
バリ島の世界遺産の数々、魅力的なものばかりですね。大自然と融合した美しい建物とのコントラストが世界のツーリストを魅了しています。世界遺産を訪れる際にはツアーのガイドさんと一緒に行かれることをおすすめします。きっとそれぞれのスポットの詳しい情報や説明をしてくれますよ。ジャワ島のジョグジャカルタの世界遺産、ボロブドゥール遺跡と合わせてぜひ訪れてみてくださいね。