2020年最新!ポルトガルの世界遺産一覧と行き方難易度全リスト!地図付き
日本の4分の1しかない国土に17か所もの世界遺産があるポルトガルは「世界遺産大国」。離島のマデイラ諸島以外は鉄道やバスでまわろうと思えば制覇できます。完全制覇とまではいかなくともリスボンやポルトに拠点を決め、近くにある世界遺産に出かける旅はとても有意義なものになることでしょう。ポルトガルへ世界遺産巡りに出かけませんか?
- なぜポルトガルには世界遺産が多いのか?
- ①リスボン・ジェロニモス修道院とベレンの塔
- ②シントラの文化的景観
- ③マフラの王家の建物 宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園(タパダ)
- ④エヴォラ歴史地区
- ⑤アルコバッサ修道院
- ⑥バターリャ修道院
- ⑦トマールのキリスト教修道院
- ⑧国境防衛都市エルヴァスとその要塞群
- ⑨コインブラ大学 アルタとソフィア
- ⑩ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院
- ⑪ギマランイス歴史地区
- ⑫ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域
- ⑬アルト・ドウロ・ワイン生産地域
- ⑭コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群
- ⑮マデイラ諸島のラウリシルヴァ(Laurisilva of Madeira)
- ⑯アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの町の中心地区
- ⑰ピコ島のブドウ園文化の景観
- ポルトガル世界遺産最新MAP
- ヨーロッパの世界遺産の旅の相談も!
なぜポルトガルには世界遺産が多いのか?
世界遺産登録数世界一と言えばイタリアの55か所。「17か所しかないポルトガルなんて全然多くないでしょう?」と思うかもしれませんが国土の広さで考えたら、はっきり言ってこのレベルはイタリアどころの騒ぎではありませんぞ!
ポルトガル北部のドウロ川上流には、紀元前5000年代(!!!)に人が定住生活を始めた跡が認められ「世界で最も古い都市」のひとつとされています。ローマ帝国より古く、ヨーロッパでも稀に見る歴史を誇る国なのです。
その間には様々なことが起こりました。ローマ帝国時代、イスラム教徒に支配された時代、そして997年からの レコンキスタ(イスラム教徒から国土を取り戻す国土回復運動)によりポルトガルとして初めて独立。そして世界中の海路を開発した大航海時代をけん引し、ヨーロッパの中でも注目を浴びた繁栄の時・・・そんな背景から、小さな国に文化の違う様々な建造物が建てられ、時を経ても残っている姿が評価されるのではないでしょうか。
ここでは2020年最新の世界遺産全17か所を一挙ご紹介!所在地とアクセス情報、MAPも公開します!また、どうしても行きたい、という人のために行き方と難易度を表示。星が多ければ多いほど行くのが大変な世界遺産です!成功を祈る・・・。
①リスボン・ジェロニモス修道院とベレンの塔
ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)
ポルトガルの首都リスボンのベレン地区にあり、ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓の成功と、それを指示したエンリケ航海王子を称え、1502年マヌエル1世の命で着工。ヴァスコ・ダ・ガマが持ち帰ったスパイスを売却したことで生まれた莫大な費用で築かれ、ポルトガル独自のマヌエル様式の最高傑作と言われる立建物が見事です。完成までに300年の月日を費やしています。
ゴシック建築を一層奇抜に華美にした絢爛豪華なマヌエル様式
ベレンの塔(torre de Belém)
ジェロニモス修道院から徒歩15分の場所にあるベレンの塔は、ベレン地区エリアのテージョ川の船の出入りを監視する要塞でした。16世紀前半にヴァスコ・ダ・ガマの世界一周を讃え、マヌエル1世の命により作られた美しい塔。かつては監獄もあった軍事的な用途に使われていたとは思えない華麗な外見から、日本人には作家の司馬遼太郎が『テージョ川の貴婦人』と表現した事でも知られています。
貴婦人の所以はテラスがドレスのふくらみに見えることから
登録英名:Monastery of the Hieronymites and Tower of Belém in Lisbon
登録年月日:1983年
分類:文化遺産
所在地:Belém Tower Avenida Brasília, Lisboa
アクセス:路面電車15番「Largo da Princesa」駅徒歩5分でベレンの塔、ベレンの塔より徒歩約15分でジェロニモス修道院
アクセス難易度:★
②シントラの文化的景観
リスボン近郊の街シントラは12世紀にレコンキスタでポルトガル領に戻り、14世紀頃には、ポルトガル王室の避暑地になっていました。レコンキスタ以前のイスラム建築素晴らしい城壁と、王族が住んだ城が入交、独特の景観を形成。建造物を含めた街の景観自体が「シントラの文化的景観」として世界遺産に認定されています。 特に「ムーアの城壁」「シントラ宮殿」「ペーナ宮殿」は一見の価値ありです。各施設の情報は下記ブログに書かせていただいたので、そちらを参照してくださいね!
カラフルなおもちゃのように見えるペーナ宮殿とムーアの城壁
登録英名:Cultural Landscape of Sintra
登録年月日:1995年
分類:文化遺産
所在地:Sintra purtogal
アクセス:リスボン・ロシオ駅から鉄道で約45分
アクセス難易度:★
③マフラの王家の建物 宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園(タパダ)
リスボンからバスで1本、とても行きやすく、最新の世界遺産ということで話題を呼んでいます。1711年、子だ肩に恵まれなかった当時のポルトガル国王に娘が誕生し、神への感謝の気持ちを込め、礼拝堂と修道院を併設した王宮を建設します。これだけの設備を一つの建物に盛り込んだため、13年もの歳月をかけたポルトガルで最大級のバロック様式の宮殿となりました。
とにかく大きく、見どころも多いので、時間をかけてまわりたい
登録英名:Royal Building of Mafra – Palace, Basilica, Convent, Cerco Garden and Hunting Park (Tapada)
登録年月日:2019年
分類:文化遺産
所在地:Portão do Codeçal, 2640-602 Mafra
アクセス:リスボンカンポグランデ駅前バスターミナルからバスで約30分
アクセス難易度:★
④エヴォラ歴史地区
ポルトガル南東部、アレンテージョ地方の中心都市エヴォラ。2000年前ローマ帝国の支配下にあったため「なぜポルトガルに?」と思うようなディアナ神殿が建設されました。1186年に大聖堂が建築され、16世紀後半には日本からやってきた天正遣欧少年使節団が訪れています。15世紀に王宮や修道院など様々なな建造物が建てられ、神殿の遺跡だけではなくそれらも見どころ。最も有名な場所は多くの人骨が収められた「人骨堂」があるサン フランシスコ教会。中心部を全長6kmの城壁が取り囲み箱庭のようなかわいらしさも感じさせる町は、地図で見るとリスボンからとても遠く感じますが、バスで行けば高速道路を使うので1時間30分ほど。鉄道より本数も多く、大抵の人はバスで向かうようです。
ポルトガルというよりイタリア
登録英名:Historic Centre of Evora
登録年月日:1986年
分類:文化遺産
所在地:Templo Romano Evora Largo do Conde de Vila Flor, Evora
アクセス:リスボンのセテ・リオス・バス・ターミナルより1時間45分
アクセス難易度:★★
⑤アルコバッサ修道院
1153年に初代ポルトガル王アフォンソ・エンリケスの命により建築。12世紀初頭、ポルトガルからイスラム教を追放する運動に関わったシトー修道会へ感謝を示すものとして建てられ、ポルトガル最古のゴシック様式が見られる貴重な建造物です。多くのポルトガルの修道院と比較すると質素な造りですが、シトー派の基本精神「質素と簡潔」を現わしています。
また、この修道院にはアフォンソの息子ペドロ1世と彼の愛したイネスという女性の棺があり、その棺の美しさは、彫刻も見どころ。そしてその悲恋も有名です。 ペドロ1世は王族と結婚させられますが、彼が愛したのは同行していた女官たちの一人、イネスでした。2人の恋に反対するアフォンソの命令でイネスは暗殺されてしまいます。ペドロはイネスの遺体を掘り出し正式に結婚。改めてイネスを棺に納め、その後亡くなったペドロの遺体を収めた棺もこの聖堂で並んでいます。目覚めてた時、お互いが向き合えるように、両方の棺の足を向き合わせた配置にしてあるのだそう。
他の修道院より質素とはいえ、重厚で歴史を感じさせる
登録英名:Monastery of alcobaca
登録年月日:1989年
分類:文化遺産
所在地:2460-018 alcobaca,purtogal
アクセス:リスボンのセッテ・リオスバスターミナルより約2時間
アクセス難易度:★★
⑥バターリャ修道院
バターリャ修道院は、正式名称を「勝利の聖母マリア修道院」。1385年、ジョアン1世がアルジュバロータの戦いで勝利。聖母マリアに感謝をする為に1388年に建築が始まりました。しかし完成したのは世紀を2つ超えた16世紀の初頭。15人の建築家に引き継がれました。その間にポルトガル国王は7名が即位し、世代を越えたポルトガル・ゴシックとマヌエル様式が混在し、これまでのポルトガルになかった独特の建築物になっていきます。 ポルトガル最大級でもある大聖堂内部には、ポルトガルで初めて使われたというステンドグラスを用いた装飾が見事です。
14世紀末から16世紀初頭まで建築。豪華すぎる装飾!
登録英名:Mosteiroda da Batalha
登録年月日:1983年
分類:文化遺産
所在地:Largo Infante Dom Henrique, Batalha
アクセス:リスボンのセッテ・リオスバスターミナルより約2時間
アクセス難易度:★★
⑦トマールのキリスト教修道院
初代ポルトガル王アフォンソ・エンリケスが、1147年「サンタレンの戦い」の勝利に貢献した「テンプル騎士団」にこのトマールの土地を与え、この修道院が建て立てられたことが始まり。その後時代が流れると、キリスト騎士団の管理下になり、エンリケ航海王子の住居になりと増改築が重ねられた結果、様々な様式の壮麗かつ少し不思議な雰囲気を持つ修道院へと姿を変えていきます。西壁にある窓はポルトガル独自の優雅な建築マヌエル様式の傑作です。
写真左がマヌエル様式。レース細工のように優美な装飾
登録英名:Convent of Christ in Tomar
登録年月日:1983年
分類:文化遺産
所在地:Igreja do Castelo Templário, 2300-000 Tomar
アクセス:リスボンのサンタ・アポローニア駅からトマール行きの電車で2時間。トマール駅から徒歩10分またはタクシー
アクセス難易度:★★
⑧国境防衛都市エルヴァスとその要塞群
ポルトガルとスペインとの国境の町、エルヴァスは、リスボンから東に110kmの場所にあり上空から見るときれいな星状!北海道の五稜郭も同種に数えられる星形要塞です。「国境防衛都市エルヴァスとその要塞群」という何やら戦隊ものや宇宙もののアニメを思い出してしまうような登録名の通り、古くからスペインの侵略からポルトガルを守ってきた、とても重要な場所だったのです。 エルヴァスの旧市街地は、1643年以降に建てられた世界最大の星型の塁壁で囲まれ、南部にサンタ・ルジア要塞、北部にグラサ要塞ほか、いくつかの要塞があります。17世紀のポルトガルとスペインの関係を表す建築物であり、軍事建築の発展を伝える遺産として世界遺産に登録されました。
あまりにも美しく、ポルトガルに行ったら見たい!と思いがちなのですが、鉄道がない上、バスも乗り継ぎが必要。本土では珍しいアクセスの悪さです。また、最大の難点は、この高度から星形に見渡せる展望台がないことでしょうか。少しだけ、星形の一部が見えるの高台程度ならある模様・・・。
周囲に何もないため、上空から見るしかない?
登録英名:Garrison Border Town of Elvas and its Fortifications
登録年月日:2012年
分類:文化遺産
所在地:Elvas ,Portugal
アクセス:リスボンのセッテ・リオス・バスターミナルからエルヴァス行きのバスで約3時間(乗り継ぎの場合あり)。バスターミナルより徒歩約20分もしくはタクシー
アクセス難易度:★★★★
⑨コインブラ大学 アルタとソフィア
世界遺産「コインブラ大学 アルタとソフィア」は世界最古の大学のひとつと言われ、ヨーロッパ屈指の伝統を持つ名門大学、コインブラ大学の建造物群を指します。1290年にディニス1世によって設立された国立大学は今もこの大学に通うことを誇りに思う学生が多数入学します。 大学構内には観光地になるほどの中世の歴史的に貴重な建築物が数多く残り、内部に入って見学することも可能。アルタとソフィアは地区の名前で、それらのエリアも世界遺産。中でもサンタ・クルース修道院は1131年に初代ポルトガル王、アフォンソ・エンリケスの命により建てられた非常に歴史のある修道院で、アフォンソ・エンリケスのお墓があります。
ポルトガルが世界に誇る名門大学は世界遺産だった
登録英名:University of Coimbra – Alta and Sofia
登録年月日:2013年
分類:文化遺産
所在地:Universidade de Coimbra – Faculdade de Medicina Rua Larga, Coimbra
アクセス:ポルトから鉄道でコインブラ駅下車(所要約1時間40分)徒歩8分
アクセス難易度:★
⑩ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院
ポルトガルの名の由来となった古都ポルト。15世紀にはポルトに生まれたエンリケ航海王子の公開の拠点となり発展を遂げます。ポルト歴史地区は聖グレゴリウス聖堂、大聖堂、ボルサ宮、聖フランシスコ聖堂、サン・ベント駅など数々の歴史的建造物があり、それぞれの時代を反映した独自の美しさから世界遺産に登録されました。その後、ドゥロ川にかかるルイス1世橋や、高台に浮かび上がるセラ・ド・ピラール修道院が登録され、とても長い世界遺産の正式名所となってしまいましたが、ルイス1世橋を含む夜景は圧巻!あのパリのエッフェル塔を建築した建築家のお弟子さんが作った、重厚かつ、そして「世界遺産」にもかかわらず、鉄道と歩道を兼ねた今も現役の鉄橋です。
またこのドウロ川周辺ははポートワインの積み出し、また海洋交易の中心地として発展。町にいるだけで世界遺産という至福の時が楽しめます!
歴史地区は町全体が世界遺産!
登録英名:HISTORIC CENTRE OF OPORTO, LUIZ I BRIDGE AND MONASTERY OF SERRA DO PILAR
登録年月日:1989年
分類:文化遺産
所在地:Porto,Portugal
アクセス:リスボンから鉄道でサンベント駅下車その周辺(所要約3時間)または日本から飛行機で他国経由17時~20時間
アクセス難易度:★
⑪ギマランイス歴史地区
「ポルトガル、ここに誕生す」という言葉が町中に記された貴重な建物が建ち並ぶ街。
ポルトガルの初代国王アフォンソ・エンリケスが、この地で生まれたことから「ポルトガル発祥の地」とされています。 2001年、世界遺産に登録されたギマランイスの旧市街には、アフォンソ・エンリケスが誕生したギマランイス城をはじめ、洗礼を受けたサン・ミゲル教会など、初代ポルトガル王ゆかりの場所が点在しています。街を歩けばタイムスリップしたかのような中世の街並みに驚くはず。それはギマランイスが建国の地であるという歴史に、住民が誇りをかんじて暮らしているから。中世ヨーロッパの雰囲気が好きな人にはたまらない世界遺産の町です。
初代ポルトガル王が誕生したギマランイス城
登録英名:Historic Centre of Guimaraes
登録年月日:2001年
分類:文化遺産
所在地:Guimaraes,Portugal
アクセス:ポルトのサン・ベント駅から列車で約1時間15分
アクセス難易度:★
⑫ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域
ポルトガルで最も古い都市のひとつであるブラガ。巡礼の街と言われるブラガの所以は、イベリア半島で初めてキリスト教が伝えられたという、宗教的に重要な意味を持つ場所です。ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は、イスラエル、エルサレムへの巡礼の代わりの手段として、山をエルサレムに見立て宗教関連施設を造営したサクロ・モンテ(聖なる山)のひとつ。巡礼のための聖堂が連なる世界遺産は、まるで貴婦人のスカートのように広がる美しいバロック式の階段が印象的です。山頂にある天国を思わせる素晴らしい大聖堂や敷地と聖なる山、ブラガのキリスト教における重大な位置付けを含め評価され、2019年世界遺産に登録されました。
跪いて階段を登る経験な信者もいるという
登録英名:Sanctuary of Bom Jesus do Monte in Braga
登録年月日:2019年
分類:文化遺産
所在地:Estrada do Bom Jesus, 4715-056 Tenoes
アクセス:ポルトのサン・ベント駅から鉄道でブラガ駅(所要60分)で下車。リヴェルダーデ大通りにある停留所から「02」番のバスに乗車して終点で下車
アクセス難易度:★
⑬アルト・ドウロ・ワイン生産地域
ポルトガル北部を流れるドウロ川の上流部に位置するアルト・ドウロ地域はワインの産地。その歴史は、なんと2000年以上前からという驚異的な時代から始まります。
ブドウのために川沿いの山の斜面から作った段々畑、畑を支える石垣、ワイン農家やその施設、村、教会、道路などが織りなす美しく文化的な景観と評価され、2001年、世界遺産に登録されます。 ポルトガルが世界に誇る有名なポートワインの生産地でもあり、ワイナリーやワインと一緒に美味しい料理が食べられるレストランもあるので、ポルト滞在時には足を運んでみては?
芸術的なまでに美しいブドウ畑
登録英名:Alto Douro Wine Region
登録年月日:2001年
分類:文化遺産
所在地:Alto Duoro, Portugal
アクセス:ポルト・サン・ベント駅から鉄道でレグア駅(所要時間約2時間)。レグア駅周辺がアルト・ドウロ・ワイン生産地域
アクセス難易度:★
⑭コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群
ポルトガルのコア渓谷とスペイン西部のシエガ・ヴェルデの両地域にまたがる場所にある、切り立った岩に、さまざまな動物の絵が描かれています。これらは何と旧石器時代の1万年~2万年前に描かれたもの。イベリア半島でこの時代の屋外の絵画としては最大規模。当然、旧石器時代の岩絵で野外に残る物としてはこの国最大級の遺跡ということになります。
「世界最大の野外ミュージアム」と称されるスケールの大きな岩壁画の並ぶ姿が評価され、1998年に世界遺産に登録されました。後に隣接しているスペイン側のシエガ・ヴェルデの壁画も追加登録されています。その頃は国境はなく、同じ村の人々だったのでしょうか・・・そんなことを考えると歴史ロマンに浸れます。
大自然の中を散策しながら点在する壁画を見に行きます
1万年~2万年前に描かれた馬やヤギ!
登録英名:Prehistoric Rock Art Sites in the Coa Valley and Siega Verde
登録年月日:1998年
分類:文化遺産
所在地:Rua do Museu Parque Arqueológico do Vale do Côa, Vila Nova de Foz Coa 5150-610, Portugal
アクセス:ポルトのサン・ベント駅から鉄道でポシーニョ駅(所要時間約3時間30分)ポシーニョ駅からタクシーで約20分
アクセス難易度:★★★
⑮マデイラ諸島のラウリシルヴァ(Laurisilva of Madeira)
日本人にはあまり知られていないポルトガルのマデイラ島ですが、ポルトガル人と、その他のヨーロッパの人々にはリゾート地として知られています。そういうと「簡単に行けそう」と思うかもしれませんが、リスボンの南西約1000kmの大西洋上にあり、日本からのアクセスは結構大変。奄美大島と同じくらいの大きさの常夏の島です。サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドがこの島の出身。
ラウリシルヴァは氷河期以前、4000万年前~1500万年前ころ南ヨーロッパに広く分布していた照葉樹の原生林が残る世界でも数か所しかない貴重な場所であることと、氷河期を免れた素晴らしい自然の光景が評価され世界遺産に登録されました。木々の枝が寄り合い屋根を作るかのような山道を歩くことになるので、行く人はスニーカーを持参のこと。
生きているかのように絡み合う数万年前の木々
登録英名:Laurisilva of Madeira
登録年月日:1999年
分類:自然遺産
所在地:Laurisilva of Madeira
アクセス:リスボン空港から飛行機でマデイラ空港(所要2時間)。最も栄えている海沿いの町フンシャルから車約2時間ほどで到着しますが、ツアーバスやガイド付きツアーがたくさんあるので、利用することをおすすめします
アクセス難易度:★★★
⑯アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの町の中心地区
アゾレス諸島はポルトガル本土から遠く離れた北大西洋上にあり、主に9つの島から形成されています。アングラ・ド・エロイズモの町はその中のテルセイラ島という島にあり15世紀ごろ造られた街です。ポルトガルが世界に先駆けて海路を切り開き、アフリカ、アジア、そして世界一周などを成し遂げた大航海時代、生水や食料を補給する大切な港町として栄え、19世紀に蒸気船が現れるまで重要な役割を果たしました。
400年前に町を守るために建設された要塞やバロック建築のサンティッシモ・エスペリート大聖堂なども見どころ。このような時代背景が生んだ歴史的景観が評価され、1983年に世界遺産に登録されました。
ポルトガルの大航海時代を支えた町
登録英名:Central Zone of the Town of Angra do Heroismo in the Azores
登録年月日:1983年
分類:文化遺産
所在地:Angra do Heroísmo
アクセス:リスボン空港から飛行機でテルセイラ島の空港(ラジェス航空基地)所要2時間30分。アングラ・ド・エロイズモの中心部まではタクシーで約20分
アクセス難易度:★★★★
⑰ピコ島のブドウ園文化の景観
ポルトガルの世界遺産の中で、最もアクセス難易度が高い「ピコ島のブドウ園文化の景観」。リスボンからの国内線でも7時間以上。「ここは本当にポルトガルなのか?」と思うピコ島はポルトガル本土の西1000km離れた大西洋の沖合に浮かぶアゾレス諸島のひとつ。ピコ島のピコ山はポルトガルで一番高い山です。島の主要産業はワイン製造。その歴史は15世紀に遡り、溶岩の石垣で囲った区画の中で育てられるブドウは上質な「ピコ・ワイン」を生みポルトガル政府のお墨付きです。
15世紀から変わらぬブドウ園の光景が評価され2004年、世界遺産に登録されました。
大西洋に浮かぶ小さな島に広がる昔ながらのブドウ園
登録英名:Landscape of the Pico Island Vineyard Culture
登録年月日:2004年
分類:文化遺産
所在地:Paisagem da Cultura da Vinha da Ilha do Pico
アクセス:リスボン空港から飛行機でピコ空港、またはリスボン空港から飛行機でサンミゲル島ポンタ・デルガダ空港経由でピコ空港。ピコ空港からの移動は全てタクシー※リスボン~ピコ空港からの所要時間は最低でも7時間
アクセス難易度:★★★★★
ポルトガル世界遺産最新MAP
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