世界遺産と共存する美しい街 ローマの街歩き

市内の移動手段は？

街歩きが魅力の街なので、もちろん基本は徒歩移動がお勧めです。中心部はコンパクトなので、思ったよりも簡単に徒歩での散策が可能です。少し離れた場所へは地下鉄を利用したり、タクシーをチャーターして移動するのもいいでしょう。

快適に街歩きをするためのポイント

底がフラットな靴を履く

石畳みの道は、隙間にヒールが挟まり転倒する可能性もあり、また石畳みの固さは足腰に負担がかかるため、底がフラットかつ厚みがあり、歩きやすい靴をおすすめします。

水分補給を忘れずに

特に、日差しを避けにくい遺跡などを歩く際には、飲料水は必ず持っていくのがいいでしょう。特にイタリアの夏は本当に暑いので、水分補給は必須です。

教会に入るときの服装に注意

観光地化されているとはいえ、教会は聖なる場所であることには変わりありません。あまり露出の多い服装は入場を断られる可能性もあります。薄手のストールを1枚バッグに忍ばせておくと便利です。

治安の悪い場所には立ち入らない

ローマに限らずですが、どこにでも明らかに治安の悪い場所というのがあります。ローマの場合、テルミニ駅の東側は治安が良くないと言われていますので、注意してください。

１．スペイン広場南側に広がる、誰もが知る有名観光スポットエリア

名画『ローマの休日』で有名なスペイン広場は、季節問わずいつでも人で賑わっています。広場から階段を見上げ、トリニタ・デイ・モンティ教会をバックにすると、映画さながらの風景を撮影することができるでしょう。

いつも人で賑わうスペイン広場

スペイン広場から南へ歩みを進めていくと、「コインを投げ入れると願いが叶う」という言い伝えで有名なトレヴィの泉があります。夜はライトアップもしており、昼間とは違った顔も楽しめます。

西に向かって10分ほど歩けば、四大河の噴水で有名なナヴォーナ広場があります。広場の周りにはカフェやバールがあるので、ちょっと休憩して足を休めることもできます。

ローマ市民の憩いの場でもあるナヴォーナ広場

その近くには、巨大なドーム型建築に圧倒されるパンテオンがあり、そこにあるイタリアの画家兼建築家のラファエロの墓も見どころのひとつです。

さらに、5分ほど南下すると巨大なロータリーとバスターミナルがあるヴェネツィア広場があります。左右対称のヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂やルネッサンス様式のヴェネツィア宮殿が印象的です。

２．テルミニ駅からスペイン広場へ向かうエリアに点在する教会や博物館エリア

ローマの玄関口、テルミニ駅をスタート。駅のすぐそばに、古代ローマの充実したコレクションが楽しめるローマ国立博物館・マッシモ宮があります。少し南側に足を延ばすと、ロマネスクとバロックの建築が融合した荘厳な外観が特徴のサンタ・マリア・マッジョーレ教会も。

聖母マリアのお告げによって建てられたとされるサンタ・マリア・マッジョーレ教会

巨大なロータリーのある共和国広場のそばには、湾曲した壁の入り口が印象的なサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会や、内部の装飾が豪華なサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会、重厚な雰囲気のサンタ・スザンナ教会と、短い距離に多くの教会を目にします。

また、建物自体やその庭園までもが芸術といえる国立絵画館・バルベリーニ宮では、有名な作品を数多く鑑賞することができます。

国立絵画館・バルベリーニ宮

その目と鼻の先に、少し珍しい教会、骸骨寺があります。教会そのものよりも、地下にある納骨堂が有名で、約4000もの修道士の骸骨が堂内に飾られています。他とは違う感覚を味わうことができるので、ぜひ訪れたい場所のひとつです。

３．古代ローマを肌で感じる、遺跡エリア

地下鉄コロッセオ駅の目の前にあるのが、コロッセオです。約2000年も前の古代ローマ時代の闘技場で、市民の娯楽施設として建設されました。まさに死闘が繰り広げられた過去を持つこの歴史的建造物は、ローマ帝国栄華の象徴と言っても過言ではありません。コンピュータなどがなかった時代に、全て人力で緻密に計算され、設計された当時の技術に驚かされることでしょう。

その近くにあるのが、ローマ帝国の政治経済の中心として栄えた市民広場フォロ・ロマーノです。中央に走る「聖なる道」に沿って建築された多くの神殿跡や凱旋門を歩いて鑑賞することができ、ローマ帝国の文明の高さを間近に感じることができます。また、こちらには、有名なカエサルの墓もあります。石積みの簡素なお墓なので、見過ごさないようにご注意を。

古代ローマ文明の繁栄を感じるフォロ・ロマーノ

さらに、フォロ・ロマーノの南側には、かつて高級住宅地であったパラティーノの丘が広がっています。高台になっているので、フォロ・ロマーノを見下ろすことができます。

またここからすぐのところに、真実の口で有名なサンタマリア・イン・コスメディン教会があります。「ローマの休日」でオードリーヘップバーンが手を入れたことで一気に有名になった観光スポットです。古代ローマ時代のマンホールのふたと言われており、神の顔が彫られています。

一度は手を入れてみたい真実の口

古代ローマ時代の壮大な歴史を感じつつ、ルネッサンス、バロックなど様々な時代の芸術も鑑賞でき、時代を少しずつ切り取ってタイプスリップしたかのような気持ちになる街ローマは、本当に見どころ満載です。どこを切り取っても絵になるフォトジェニックな街なので、ぜひ歩いて街中を散策することをお勧めします。おしゃれなカフェを発見して、美味しいコーヒーを飲んでほっと一息、なんてことも街歩きの楽しみのひとつです。