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ナポリ マルゲリータ

ピザ発祥の地ナポリ!イタリアで1番美味しいナポリピザの名店5選

本場の「ナポリピザ」の魅力とナポリのピザの名店を一挙ご紹介!美しい海岸線と街並みから「ナポリを見てから死ね」ということわざまであるナポリは、南に行くほど食材が美味しいというイタリアの代表的な美食の街。ナポリ発祥のユニークな料理は数あれど、世界中の人が愛するピザの原型が生まれた場所こそ、ここ、ナポリなのです。

ナポリはピザ発祥の地

イタリアを代表する料理ピッツァ!子供から大人まで、世界中の人が大好きなこの料理が生まれた場所はどこだかご存知ですか?

イタリア南部の町、ナポリです。

ナポリは1861年に当時のイタリア王国のひとつの都市になるまで、様々な国の領土でした。そして現状、私たちが「ピザ」と認識しているピザの誕生も、そんなナポリの歴史の変遷から奇跡的に生まれたものなのです。

ナポリ 全景

風光明媚な港町は何度も異なる国の領土になった

そんな背景からナポリの街にはピザ専門店(ピッツェリア)がいっぱい!できたてをいただこうと人気店には大行列ができています。

ナポリ ピザ

行列がすごすぎて、焼いても焼いても足りません!

ナポリピザの歴史

もともと、ナポリの店先で売られていたピザの原型は、パン生地にラードを塗って焼き上げたシンプルな「フォカッチャ」だったと言われています。ナポリに「もしやピザ?」と思しきものが誕生したのは1660年頃。まだフォカッチャにラード・バジリコ・チーズを乗せただけのものでした。

1738年創業の、現存する世界最古のピッツェリア「ピッツェリア・アンティカ・ポルタルバ(Antica Pizzeria Port’Alba)」も、そんなピザの原型を路上で販売していたようです。

ナポリのピザが今の形に急速に加速した理由は、その頃ナポリがスペイン領だったという背景。当時スペインが占領していた南米から、ナポリにトマトがもたらされ、庶民がトマトをパンに乗せる食材として使い始めたことがきっかけでした。

1750年頃、これまで食べていたフォカッチャのようなピザの原型に、トマトソースを塗ってほしいとお願いしたのがナポリの漁師たち。生地に、トマトソースをたっぷりぬって、オリーブオイルをかけたものでしたが、その味は瞬く間に美味しいと評判に。「ピザ・マリナーラ(漁師のピザ)」という名と共に、ナポリ中に広がっていきます。

これが現在ではピザに絶対欠かせないトマトを使った最初のピザだったのです。

1830年代には世界初のピザ専門店「ピッツェリア」も登場。「三銃士」で知られるアレクサンドル・デュマ・ペールは1843年の著書の中で「ナポリのピザは植物油、豚脂、牛脂、チーズ、トマト、アンチョビで味付けられている」と描写。ほぼ今の材料に近いことを表しています。

ナポリ 漁師

ピザの生みの親は、ナポリの漁師!

誇り高きナポリのピザ職人!「ナポリピザ」には掟がある

ピザの発祥地であるナポリのピザに対する愛情、誇りは大変なもの。ナポリピザの伝統を守り、より質の良いピザを作り、世界中の人に知ってもらおうという意識が高まりました。

1984年には名店のピザ職人たちが結束し「真のナポリピッツァ協会(Associazione Verace Pizza Napoletana)」が立ち上がり「これがナポリピザである」という掟を作ります。その掟はとても厳しく、いい加減な飲食業者にはとても真似できません。

例えば生地の焼き方は古典的に木のチップを使うとか、必ず手だけでピザ生地を伸ばさねばならない、とか・・・トマトソースに使うトマト缶の味や種類まで決められています。こうすることでピザ職人がいい加減な店を出さないよう、ナポリピザの品質を守っているのです。

そんなこともあり、ナポリでいただくナポリピザは、日本で食べるピザとは比較にならないほど美味。当然ですが、食材もすべて本場イタリアのものなので、ひと口かじりつけば「ピザってこんなに美味しかったんだ!」と嬉しい驚きに包まれることでしょう。

ナポリピザ

大事に大事に手で作業しています!

本場「ナポリピザ」の種類

「ナポリピザ」と名乗れるピザは、先に紹介した「ピザマリナーラ」と「ピザマルゲリータ」の2種類のみ。

世界一古いピザ「ピザ・マリナーラ」

ピザの元祖であり、ナポリピザの元祖。漁師の名を冠したピザマリナーラは世界最古のピザでもあります。

発祥当時からあまり変わらぬシンプルな具材のピザなので、小麦とトマトが主役。「何か物足りない」と思ってしまうのは、この上にトッピングをどっさり乗せる、アメリカ式宅配ピザになれているからかも。

ナポリ ピッツァマリナーラ

トマトソースが命!世界最古の「ピッツァマリナーラ」

ナポリで食べるピザマリナーラのメニューは、たとえトマトソースだけで感動するほど美味しい!

ピザ好きには「チーズが食べたいからピザを食べる」なんていう人も多いので、このピザは好き嫌いが分かれるところ。しかしニンニク、オリーブオイルがトマトソースを引き立て、素材の味わいで充分幸せな気分になれるピザです。それだけに素材にはとてもこだわっているお店が多く、小麦、トマト、オリーブオイル、ニンニクともに最上の食材を仕入れる努力をしています。

トッピングで誤魔化しがきかない、基本のピザにして、一番難しいピザです。

トマトソースが命!

王妃マルゲリータが感動!ピザマルゲリータ

中世は、年単位で国が変わったナポリですが、ようやく今の状態であるイタリアに組み込まれたのは1861年。そんなナポリに当時のイタリア王ウンベルト1世と王妃マルゲリータがやってきます。その際ピザ職人ラファエレ・エスポジトが、王に命じられ3種のピザを献上。王妃マルゲリータはトマト、モッツァレッラチーズ、バジリコが乗せられたピザをとても気に入り、そのことで「ピザマルゲリータ」という名前が誕生します。

王妃が気に入った理由は味はもちろん、その色合い。緑(バジリコ)、白(モッツァレッラチーズ)、赤(トマト)がイタリアの国旗の色を思わせたから。ピザマルゲリータはナポリはもとより、イタリア中に知られるようになります。

ナポリピザ ピザマルガリータ

確かに、赤・白・緑!

ピザマルゲリータに欠かせないモッツァレラチーズも、ナポリのあるカンパニア州で誕生したもの。他のチーズと異なり、熟成させず出来立てをいただくフレッシュチーズは、あっさりとして他の食材の邪魔をせず、女性ファンは多し。でも「あっさりしすぎてチーズらしくない」と思っている人が多いのも事実。

イタリアから輸出するモッツァレラチーズは、時間がたっている場合も多く、出来立てが命のモッツァレラチーズの魅力が半減している場合も。できたてのモッツァレラチーズは、牛乳のこくが口いっぱいに広がり、フワフワノモチモチ!地元で作った新鮮なモッツァレラチーズを使ったナポリのピザマルゲリータが日本で食べるより数段美味しいのは当然のことと言えるでしょう。スペイン領だったおかげでトマトに出会い、モッツァレラチーズを誕生させたナポリ。まさにピザが生まれるための運命的な土地だったのでしょう。

ナポリ モッツァレラチーズ

モッツァレラチーズの生産風景。もっちもちのチーズに顔をうずめたい!

番外編 カルツォーネ(Calzone)

ナポリピザとして扱ってもらえませんが、明らかにナポリピッツァをたたんだだけのナポリ名物の料理があります。その名はカルツォーネ(Calzone)。

日本のイタリア料理店で見かけた人も多いのではないでしょうか。見た目は完全に巨大餃子!

ナポリ カルツォーネ

薄く延ばしたピザの生地に、ハム、モッツァレラチーズ、リコッタチーズ、パルメジャーノチーズを乗せて、半折りにした縁を閉じ、オーブンで焼き上げたこの料理は、生地も具材もピザと変わらないので、味はもう完全にピザです(笑)。

しかし、包み炊きにしている分、具材はしっとりと仕上がり、切り分けた時の香りは最高!ナポリのパン屋やフードコートでは、食べ歩きにも最適な菓子パンサイズのカルツォーネも販売しているので、おやつ代わりにお試しあれ。

ナポリ カルツォーネ

切り分けた瞬間の「とろーり」がたまりません!

ナポリピザの食べ方

ピザは1人1枚、これ常識!

ナポリの人だけではなく、イタリア人はピザをシェアしません。ピザ1枚を複数人で取り分けて楽しむ光景は「あれ何やってるの?」という笑えてしまうシーンのようです。日本に置き換えると、どんぶり1杯のうどんを皆でシェアしていることと同じレベル。個人個人が好きなピザを1人1枚注文し、食べきるのがイタリアの常識。

ナポリ ピザ

ナポリっ子に「ピザ半分ずつしよう」と言ったら嫌われるかも

立ち食いピザは4つ折りにしてかぶりつけ!

ナポリで大人気の立ち食いピザ。立ち食い用のピザは少し小さめに作ってありますが、丸ごとそのままだと食べづらい。「みんなどうやって食べているのかな?」なんて、行列している間に不安になってきます。そんな時、目の前で信じられない光景が・・・おいしそうな焼き立てのピザを、お店の人がぐしゃっと4つ折りにして、紙に包んで渡しているではありませんか!

えーっ!何だかもったいない!

しかし食べやすさを最優先した結果の完成形です。郷に入りては郷に従えと言います。豪快にかぶりつきましょう。どうしても焼き立てのピザを、通常通り日本風にいただきたい人は、注文の際に「箱に入れてください」とテイクアウトをお願いしてみて。ホテルで日本風にシェアしていただきましょう。ただし、店内で腰かけていただくタイプのピッツェリアでは、手づかみで食べないように。ナポリっ子のみなさんは、フォークとナイフを使って食べています。

ナポリピザ

4つ折りされたピザは、原型をとどめていない・・・

アツアツのうちに完食!

できたてのアツアツでなければ、ピザではないと思っている地元ナポリっ子の皆さん。ピザができたら、アツアツを一心不乱に食べすすめます。日本ではピザカッターで1ピースずつ切り分けていただくことも多いですが、小さくすると早く冷える、ということもあり、非常識だとみなされます。

ナポリ ピザ

あっ、熱・・・あつつつつ・・・あつっ(泣)

ピザ発祥の地・ナポリで大行列のピザ専門店(ピッツェリア)5選

ナポリピザをどの店だ食べるべきか?旅行で訪れた人たちには、ナポリ旅行最大の悩みかもしれませんね。というわけで、ナポリで大人気のピザ専門店「ピッツェリア」をご紹介します。人気ピッツェリアの行列は、尋常ではありません。時間に余裕を持って行列を楽しむつもりで出かけてみて。

これからお教えする人気店のマップを見て、観光しがてら色々な店を食べ歩くのも楽しいですよ!

ナポリピザ 行列

ナポリの大人気店「ダ・ミケーレ(da Michele)」の行列

①ランティカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ(L’Antica Pizzeria da Michele)

ミシュラン掲載店で145年の歴史を誇る、2時間待ちの行列が当たり前の超有名店。日本にも東京・福岡・横浜に出店したので、名前を知っている人も多いかも。ナポリ本店のピザはマルゲリータとマリナーラの2種のみと潔く、店内でいただくかテイクアウトかの選択ができます。2時間待ちは当たり前で整理番号を握りしめて順番を待つことになりますが、こんなにも絶品の焼き立てピザを500円以内でいただけるとは、嬉しい限り。

ランティカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ基本情報

住所:Via Cesare Sersale, 1, 80139 Napoli 

営業時間:11:00~23:00

②ピッツェリア・アンティカ・ポルタルバ(Antica Pizzeria Port'Alba)

1738年創業の現存する世界最古のピッツェリア。ナポリで一番最初にピザの原型となるパンを路上で販売していましたが、1830年に店を椅子とテーブルが整ったピザ専門店に改装。この店と同じ場所に、今も店舗があるというから驚きです。世界一でありながらお店のスタッフはとても陽気で親切。500円以内でほとんどのピザが食べられる良心的な価格もありがたい!

ピッツェリア・アンティカ・ポルタルバ基本情報

住所:Via Port’Alba, 18, 80134 Napoli 

営業時間:月曜日11:30~0:00(火曜定休日)

③アンティカ・ピッツェリア・ブランディ(ANTICA PIZZERIA BRANDI)

ナポリで知らない人はいない超有名店。マルガリータ王妃にピザを献上したピザ職人ラファエレ・エスポジトの店で、改名はしましたが、ここが「ピッツァマルガリータの発祥の地」です。
世界中から観光客が押し寄せる有名店なので、必ず予約をすること。混みあう店のため、1人1品オーダーがルール。複数人でピザ1枚だと受け付けてもらえないので前菜、パスタと一緒にバランスよく注文すること。

アンティカ・ピッツェリア・ブランディ基本情報

住所:Salita S. Anna di Palazzo, 1/2, 80132 Napoli

営業時間:12:30~16:00/18:30~0:00(火曜定休日)

④ピッツェリア・ディ・マッテオ(Pizzeria di Matteo)

スパッカナポリ地区、トリヴナーリ通りの小さなピッツェリアには、いつ訪れても人がいっぱい。創業は1936年創業で、あのクリントン元大統領も訪れたことがあるそう。500円以内でおいしいピザがいただけます。サイドオーダーにはぜひフライをオーダーしてみてください。ライスコロッケや海藻入りフライが大好評!

ピッツェリア・ディ・マッテオ 基本情報

住所:Via dei Tribunali, 94, 80138 Napoli

営業時間:9:00~0:00(日のみ9:00~15:00

⑤ダル・プレジデンテ・ピッツェリア(Dal Presidente Pizzeria)

いつでも長蛇の列ができている大人気ピッツェリア。この店は基本のマリナーラやマルゲリータだけではなく、ユニークなメニューが豊富に揃っているのがおすすめの理由。窯で焼かずに油で揚げた「ピッツァ・フリッタ」、焼きたてあつあつの生地にチョコレートとヘーゼルナッツのクリームをトッピングした「デザートピッツァ」などがあり、観光客だけではなく、ナポリっ子も新作探しにやって来ます。

ダル・プレジデンテ・ピッツェリア 基本情報

住所:Via dei Tribunali,12080138 Napoli

営業時間:12:00~23:30

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今や世界中で食べられているピザは、イタリア・ナポリの人たちが様々な領土問題に悩みながらも、陽気な性格で耐え、トマトという素晴らしい食材との出会いを果たしたからこそ、あるものかもしれません。

これからはピザを食べる時、ナポリの人たちに感謝したくなりますね。いえ、ナポリに本物のピザを食べに行きたくなりますよね!

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