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きっと一度は見たことはある「マウント・ラシュモア」 実はこんな場所だった!

きっと一度は見たことはある「マウント・ラシュモア」 実はこんな場所だった!

歴史に名を残す4人の大統領の顔が彫られた巨大なマウント・ラシュモア。名作映画『北北西に進路を取れ』をはじめ、数々の映画やテレビに登場しているので、誰もが一度は「あ、見たことある!」と思う有名な観光スポットです。数キロ先からでも肉眼で認識できるほど巨大なマウント・ラシュモアの基本情報をご紹介します。

マウント・ラシュモア(ラシュモア山)とは

マウント・ラシュモア(ラシュモア山)

正式名称はマウント・ラシュモア国立記念公園

マウント・ラシュモアは、アメリカ北部サウスダコタ州の山地ブラックヒルズにあり、名だたるアメリカ歴代大統領の顔が刻まれた山です。巨大彫刻のある場所の正式名称はマウント・ラシュモア国立記念公園1927年からおよそ14年間かけて彫られ、アメリカの国定記念建造物に指定されています。長期にわたって風化しないために敢えて硬い岩盤を選んだため、彫刻作業はかなり困難を極めたと言われています。制作に携わったのは、世界恐慌によって仕事にあぶれていた地元の鉱山労働者や農場主など。専門的な作業員というわけではなく、危険を恐れぬ度胸がある人物だけが雇われたそうです。結局、第二次世界大戦の開始と資金の枯渇により、完成には至りませんでした。じつは今見られる彫刻は、未完成の姿なのです

「マウント・ラシュモア」へのアクセス方法

マウント・ラシュモアの最寄りの空港は、サウスダコタ州のラピッド・シティ・リージョナル空港です。日本からの直行便はないため、アメリカの主要都市を経由して行くことになります。乗り換え場所や乗り継ぎ時間にもよりますが、日本からは最短で15時間半程度かかります。そこから車で約40分(約50km)のところに、マウント・ラシュモアはあります。

岩山に彫られたアメリカ大統領

ラスベガス・マウントラシュモア

マウント・ラシュモア

彫られている4人のアメリカ大統領は、それぞれがアメリカという国の基礎を築いた人物として知られる偉大な人物達。正面左から順に、初代大統領ジョージ・ワシントン、第3代大統領トーマス・ジェファーソン、第26代大統領セオドア・ルーズベルト、第16代大統領エイブラハム・リンカーンと並んでいます。

初代大統領 ジョージ・ワシントン

ジョージ・ワシントン

US1ドル紙幣にも描かれているジョージ・ワシントン

ジョージ・ワシントンは、アメリカ合衆国建国の父と呼ばれ、アメリカ合衆国憲法下での初のアメリカ大統領として知られています。US$1紙幣に描かれていることでも有名ですね。もともと軍人のワシントンは、植民地軍総司令官としてイギリスを相手に独立戦争を戦い、勝利に導きました。イギリスからの独立を果たした後、アメリカ初の大統領選挙がおこなわれ、初代大統領に選ばれました。選挙人投票で100%の票を得た大統領は、現在までワシントンただ1人。当時の国民がいかにワシントンに期待していたかがうかがえます。

第3代大統領 トーマス・ジェファーソン

トーマス・ジェファーソン

ルイジアナ買収で知られるトーマス・ジェファーソン

ワシントン政権で、初代国務長官を務めたトーマス・ジェファーソン。アメリカ独立宣言を書いた人物のひとりとして有名です。その後副大統領を経て、満を持して第3代大統領に選ばれました。ミシシッピ川より西側に広がるルイジアナをフランスから買収し、現在の15州分もの広大な土地を獲得しました。戦争以外で領土を広げたということは、大きな功績として称えられています。また買収した土地を活かすため、太平洋までの道を開拓するための「ルイス・クラーク探検隊」を発足したことでも知られています。その肖像は、US$2紙幣と5セント硬貨にも描かれています。

第26代大統領 セオドア・ルーズベルト

セオドア・ルーズベルト

日本との関わりも深かったセオドア・ルーズベルト

当時、アメリカ史上最年少42歳で大統領に就任したセオドア・ルーズベルト。日本との関わりも深く、日露戦争終結に向けて日本とロシアとの調停役をつとめ、ポーツマス講和条約を締結させることに成功しました。これがきっかけでノーベル平和賞を受賞したことでも有名です。また、今や世界の三大運河と評され、貿易上重要な水路であるパナマ運河の建設を手がけ、多大なる経済効果を生み出しました。アメリカの経済発展に貢献した人物とも言えます。ちなみに、クマのぬいぐるみのテディベアは、ルーズベルトの愛称「テディ」に由来するそうです。

第16代大統領 エイブラハム・リンカーン

エイブラハム・リンカーン

偉大な大統領として知られるエイブラハム・リンカーン

そのリーダーシップを高く評価されたエイブラハム・リンカーンは、アメリカ史上最も偉大な大統領のひとりとして挙げられることが多く、日本でもよく知られている人物です。南北戦争の真っただ中に、解放奴隷解放宣言を行ったことはあまりにも有名。また演説の天才とされ、生涯数々の演説を行い、聴衆を魅了してきました。ゲティスバーグの国立戦没者墓地の奉献式で行った演説の「人民の、人民による、人民のための政治を」は、誰もが知るフレーズ。南北戦争直後、ワシントンD.Cの劇場で観劇中に暗殺され、生涯を閉じました。

マウント・ラシュモアにある観光施設

インフォメーションセンター

インフォメーションセンター

インフォメーションセンターから続く道にはアメリカ州旗が並んでいる

まずはマウント・ラシュモアの玄関口インフォメーションセンターへ行ってみましょう。毎日のツアースケジュールなどの情報が掲示してあり、スタッフの説明も受けることができます。パンフレットもこちらで入手できます。

リンカーン・ボーグラム・ビジターセンター

「グランドビューテラス」

展望台「グランドビューテラス」

彫像を見渡せる、広々とした展望台グランドビューテラスの下に位置するリンカーン・ボーグラム・ビジターセンター。この巨大な彫像がどのように建設されたのか、当時の写真や実際に使用されたハンマーや削岩機などの展示によって知ることができます。ダイナマイトで岩を砕きながら命がけで作業した、およそ400人の労働者達の困難が伝わってきます。

館内では建設までの裏側を描いた映画『マウント・ラシュモア:ザ・シュライン(Mount Rushmore: The Shrine)』も20分おきに上映されているので、時間にゆとりがある方は、ぜひ鑑賞してみてはいかがでしょう。こちらには、カフェやギフトショップも併設されています。

※リンカーン・ボーグラム・ビジターセンターはメンテナンス中のため、2020年前半はクローズしています。ホームページをご確認のうえ、お出かけください。

プレジデンシャル・トレイル

プレジデンシャル・トレイル

整備されたプレジデンシャル・トレイル

彫像の麓まで歩いていけるプレジデンシャル・トレイル。自然の中を歩きながら、いろいろな角度から大統領の顔を見られる30分程度のトレイルです。きちんと整備されているトレイルなので、遊歩道を歩くように気軽に楽しむことができます。下から見上げる彫像はまた違った雰囲気。夏の間はスタッフがトレイルに沿ってトークを行うプログラムなどもあります。

彫刻家のスタジオ

彫刻家のスタジオ

完成模型も置いてある彫刻家のスタジオ

プレジデンシャル・トレイルの終点近くにあるのが、彫刻家のスタジオです。この彫像を着手した彫刻家ガットスン・ボーグラムが19391941年まで仕事をしていた場所でもあり、現在は彫像の1/12スケールの完成模型が展示されています。窓の外に見える実物と比較してみてはいかがでしょうか。

夏の間は、ボーグラムと共に建設に携わった作業員とその技術に焦点をあてたトークも行われています。

マウント・ラシュモアの天候・ベストシーズン

マウント・ラシュモアのあるサウスダコタ州は大陸性気候で、比較的四季がはっきりしているのが特徴です。夏は6月中旬~9月中旬で、平均最高気温は30℃前後、平均最低気温は16℃前後程度。冬は11月中旬~3月初旬で、平均最高気温は2℃、平均最低気温は-9℃とかなり冷え込みます。風も強く積雪もあるため、とても寒いです。

マウント・ラシュモアは、1225日を除いて基本的にオープンしています。ただ、積雪や凍結がある冬場はプレジデンシャル・トレイルや、彫刻家のスタジオは閉鎖され、夕方から夜に行われるイブニングライトセレモニーなども開催されません(ただし、冬場でも彫像のライトアップはされます)。そのような理由から、ベストシーズンは、6月~8月と言えます。

マウント・ラシュモア観光の際の服装や持ち物など

マウント・ラシュモア観光

夜はライトアップされるマウント・ラシュモア

夏のマウント・ラシュモアは、昼間は日差しも強く暑い日も多いため、半袖で行動できます。ただ、日が暮れると肌寒く感じることもあるため、必ず羽織る物は携帯しましょう。特に、日暮れ後のライトイルミネーションに参加する際は、吹きさらしの野外エリアでじっとしていることになるため、ブランケットなどを持参してもいいかもしれません。ギフトショップでも衣類やブランケットを取り扱っているので、そちらで調達してもOK

プレジデンシャル・トレイルは整備されているため、登山靴のようながっちりとしたものではなくスニーカーで十分です。冬に訪れる場合は、凍結による転倒に注意しましょう。とにかく寒いので、しっかりとした防寒対策を忘れずに。

近隣にある「クレージー・ホース記念碑」をちょっと紹介

クレージー・ホース記念碑

彫刻があるブラックヒルズは、白人と先住民族の戦いの歴史の場でもある

岩山に顔の彫刻が施されるという点でマウント・ラシュモアと似ている、クレージー・ホース記念碑。マウント・ラシュモアから約25㎞離れた、同じブラックヒルズにあります。マウント・ラシュモアの大統領の彫像に対抗するため、先住民族ラコタ族の酋長が、白人と戦った戦士のひとりである英雄クレージー・ホースの彫刻を創るように彫刻家に依頼し、1948年から制作が始まりました。50年かけてようやく顔の部分が完成しましたが、現在も制作途中。完成するとクレージー・ホースが馬に乗り、指を差している姿となり、その大きさはなんと高さ約170メートル、長さ約195メートル!マウント・ラシュモアよりもはるかに大きくなる予定です。

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自由の女神と並び、アメリカの象徴としても知られるマウント・ラシュモアを紹介しました。毎年300万人もの観光客が訪れる人気観光スポットですが、空港からも離れており公共交通機関もないため、個人ではちょっとアクセスしにくいのが難点。トラベル・スタンダード・ジャパンでは、今回ご紹介したマウント・ラシュモアやクレージー・ホース記念碑を含めた国立公園を巡るツアーを取り扱っています。アメリカならではの迫力満点な風景を満喫しに出かけてみませんか?

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