【ポルトガル・ポルト旅行記】世界一美しいマクドナルドに図書館?ポルトの知られざる「三大世界一」を巡る
ユーラシア大陸最西端の国・ポルトガルの第2の都市であり、ポルトガル発祥の地ポルトは、世界遺産に登録された街自体が貴重な存在。そんな街には世界一美しいマクドナルドや、ハリーポッターファンがはずせない世界一美しい本屋など、世界一美しいものが潜んでいます。実際にポルトの世界一の場所に行ってみました!
ポルトガル発祥の地・ポルトには「知られざる三大世界一」がある!
ポルトガルの第2の都市であり、ポルトガル発祥の地「ポルト」。ドウロ川にかかる迫力満点のドン・ルイス1世橋の眺めが荘厳で、世界遺産に登録されている歴史地区をめぐる散策はとても楽しいもの。
ポルトの魅力は小さな町に様々な見どころがたくさんつまっていること。まわろうと思えば徒歩ですべてをまわれますが、高台にある町なので、詰め込みすぎると疲れ果ててしまいます。 そこで、今回の旅のテーマとして、ポルトにある世界一を巡る旅をしてみました。
えっ?ポルトに世界一なんてあるの?・・・と言われてしまいそうですが、筆者もポルトに行くまで何も知らず・・・。現地であのチェーン店の世界一や、マニアが集う世界一のあの場所など、3つの世界一があることを知りました。
「2位じゃだめなんですか?」という某女性政治家の言葉を思い出すほど、人類は「世界一」という言葉に弱いもの。 さあ、ポルトの世界一を巡る旅にレッツ・ゴー!
①ハリポタファンが集結!「世界で最も美しい書店」レロ書店
正式名称は「Livraria Lello e Lrmao(リヴラリア・レロ・イ・イルマォン)。イギリス・ガーディアン誌が選ぶ「世界で最も美しい書店」に選ばれたことで、一気に観光客に知られる存在になります。
外から見た感じは・・・うん、建物は古い。
1869年創業の老舗書店ですが、この場所に移ってきたのは1906年。このエリアはポルトの歴史地区で、世界遺産に登録されているエリアです。
ゴシック様式の建築美は目を引くが、外観だけだと世界一?のすごさがわからない
本屋だから普通に入ろうとしたら、にこやかな男女のスタッフが「はーい」と挨拶してくれながらも、筆者を阻むではないですか。
「€5のバウチャー買ってね・・・」
本屋でありながら、ポルトを代表する観光スポットとなってしまったため、ちゃっかり入場料を取るようになったのだとか。ただし、入場券は本を購入するためのバウチャーとして利用ができるので、本を購入する人は実質無料という扱い。立ち読みや見学だけの人のための入場料という訳ですね。
本屋だと思って普通に入ろうとすると止めらます!
この日はスムーズに入場できましたが、ポルトガルの観光トップシーズンである4月~10月、年末年始などは、店頭に長い行列ができています。€5はこの入り口で払うのではなく、別の建物で「バウチャー」を€5購入するスタイル。バウチャー購入用の 建物には無料のロッカーがあり、大きな荷物はこちらに預けます。万引き防止でしょうか。貴重品とチケットだけを手に持ち、やっと列に並べます。
店内に入って納得・・・ここは一体どこ?と叫びたくなるほどの美しさです。
1906年に建てられたネオゴシック調の建築は、本屋と言うより、宮殿内部の書斎のような雰囲気。天井の細かい細工はどれだけの時間をかけてどのように制作したのか不思議になるほどの芸術品です。
ハリー・ポッターの作者にインスピレーションを与えた本屋
「レロ・イ・イルマオン」 が行列ができるほどの人気を誇っているのは「世界一美しい」と讃えられた建築美のためだけではありません。この書店が『ハリー・ポッター』の世界観に多大なインスピレーションを与えたのではないか、ということも『ハリー・ポッター』ファンの心をくすぐるのです。
レロ書店配布の冊子にはハリー・ポッターシリーズの原作者であるJ.K.ローリングが、『ハリー・ポッターと賢者の石』を執筆していた1991年〜1993年ごろ、ポルトで英語教師として働き、このレロ書店に足しげく通っていたことが明記してあります。
作品の図書館に出てくる重厚感や魔法魔術学校の雰囲気、そして、「そういえばここも?」とファンが想像してワクワクするような、隠れハリー・ポッターポイントがあり、熱心なファンなら見つけられるのだそう。
この本屋の象徴的存在である中央の螺旋階段は撮影スポット
映画のロケ地やモデルになった場所を巡る「聖地巡礼」という言葉がありますが『ハリー・ポッター』 の場合はインスピレーションを与えたのでは?と言う場所でさえも「聖地巡礼」の対象になってしまうのだから、ファンの熱意たるや半端なものでは。
実は筆者、一度だけ『ハリー・ポッターと賢者の石』の映画を見たのですが、一つだけ気付いたことがあります。ポルトガルはここだけではなく、歴史的名所として図書館や本にまつわる場所を挙げるお国柄。本に対する愛情がとても深いように思います。文学に対する歴史も古く、世界最古の大学のひとつ「コインブラ大学」も有する国。そんな「コインブラ大学」の正式な制服はマントでした。マントを着た男子学生の偶然見た時、一瞬「ホグワーツ魔法魔術学校みたいだな」と感じたことを、この本屋で思い出してしまいました。
映画を一度だけ見た筆者が感じた『ハリー・ポッター』とポルトガルの共通点はそれだけでしたが、きっと熱心なファンの方は、この本屋だけでもたくさんの共通点を見つけているに違いありません。
この木の色合いや色調も、ハリー・ポッターの世界に似通っていますね!
住所:R. das Carmelitas 144, 4050-161 Porto
営業時間:9:30~19:00
入場料:€5
公式サイト:Livraria Lello e Lrmao
「世界で最も美しい駅」サン・ベント駅(Estação de São Bento)
サン・ベント駅は、鉄道を利用しない観光客も、わざわざ足を運ぶポルトの大人気観光スポット。「ここは教会か?」と思ってしまいそうな荘厳な駅舎は1916年、修道院の跡地に建てられました。駅舎の建築家はポルトガル人建築家ジョゼ・マルケシュ・ダ・シルバ。フランスボザール様式の影響を受たその建物はアメリカの旅行雑誌「Travel & Leisure」で「世界で最も美しい駅」に選ばれたほど。
夜のサン・ベント駅。これ本当に駅ですか?と、突っ込みたくなる雰囲気
筆者が訪れたのは日没後でしたが「これ本当に駅舎?」と思うほど神秘的で荘厳な雰囲気。こんな駅舎を毎日使っている人は幸せ者だと思います。
教会か宮殿としか思えません
駅壁面を覆う2万枚のアズレージョ!
この駅が世界一美しい駅に選ばれた理由は、華麗な外観だけではなく、駅構内の壁一面を飾るブルーの装飾タイル「アズレージョ」の装飾美。ポルトガル全土に伝わるポルトガル伝統工芸です。
「アズレージョ」は14世紀初頭、スペインから入ってきたムーア人のタイルが元となっています。ポルトガル独自の装飾タイルが作られるようになったのは16世紀ごろから。外壁や内壁の装飾に用いられる「アズレージョ」は、汚れても手入れがしやすく、室温管理にも優れているのだとか。
駅は利用者でなくても気軽に入れる上に、見学が自由なので、じっくりとその美しさを楽しみつくしますよ!
これが駅なのか!
壁の青いタイルが「アズレージョ」です。高い天井の装飾も駅舎とは一線を隔します。
ポルトガル伝統のアズレージョタイルの美しさ!
3面の壁にびっしりと張り巡らされた「アズレージョ」は、ポルトガル出身のアズレージョ作家であるジョルジュ・コラコによって製作されました。駅舎を入って左側はポルトガルにおける歴史絵巻。一つひとつ見ていくと実に勉強になります。 例えばこの「アズレージョ」は12世紀に起こった「アルコス・デ・ヴァルデヴェスの激戦(Torneio de Arcos de Valdevez)」。
よく見ると一つひとつの「アズレージョ」にタイトルが!
こちらは「家族をレオン王に紹介するエガス・モニス(Egas Moniz apresentando-se ao rei de Leao com a sua familia)」
駅舎が「アズレージョ」の美術館のよう
正面、電車が入るホームにつながる場所は、血なまぐさい戦争の様子や険しい人物の表情はなく、どことなく楽しそうで華やかな人たちが描かれています。このエリアにはかつてのポルトガル北部の人々の様子や、お祭りの様子が描かれています。
ここから多くの人が旅立つに違いありません
青一色で生き生きと庶民の生活が描いています
駅に入ってからずっと天井に書かれているこの文字が気になって仕方がなかったのですが・・・
ん?みんほー?
「Minho」は「みんほー」ではなく(笑)「ミーニョ」と読むのだとか。反対側の「DOVRO」は「どぶろー」ではなく「ドウロ川」を示しているのだそうです。 Minhoは北部と言う意味で、この駅は北部ローカル線の始発駅のため、表示してあり、入り口のDOVROはドウロ川の方向を示しています。
ポルトガルの語源にはアラブの言葉も混ざっています。「アズレージョ」はアラブ語の「青」を指し、東方の影響を受けているため、少しオリエンタルな雰囲気がありませんか?まるで美術館に入ったような充実感が得られるサン・ベント駅は、世界一美しい駅であり、ポルト観光で絶対に外せないスポットです。
住所:Praça de Almeida Garrett, 4000-069 Porto
営業時間:不定
「世界一美しいマクドナルド」マクドナルド・インペリアル
その国のその地方らしい建物で話題に欠かないスターバックスと違い、ファストフードはなかなか本格的にその領域に達していないのが実情ですが・・・マクドナルドはヨーロッパでは、かなり斬新なことをしています。それは古くからあるカフェやバーがなくなったあと、テナントとして入ること。
「世界一美しいマクドナルド」と讃えられているのは、ハンガリーの首都ブタペストと、ここ、ポルトに存在しており、正直どちらも同じように美しいので「こっちのほうがきれい!」と甲乙つけがたい・・・。
ワシ君がめちゃくちゃ誇らしげなマクドナルド
1930年代に建てられた「インペリアル・カフェ」の建物をそのまま利用した「マクドナルド・インペリアル」はインペリアルカフェ時代のステンドグラスやシャンデリアをそのままに、壮麗な雰囲気。
建物や壁面、照明などは100年近い歴史を感じますが、テーブルやカウンターなどは普通のマック。巨大なディスプレイをタッチし注文できるハイテクなマクドナルドです。ここが他のマクドナルドとかなり異なる点は、ビールが注文できることでしょうか。しかもドリンクメニューに「ビール」と書いておらず「インペリアル」と書いてあるので、スマイルのつもりで注文したらビール、くらいのインパクトがありそう。
「マックビファーナ」というポークパテ2枚入りのバーガーや、ポルトガルの名物スープ「カルド・ヴェルデ」、ポルトガル名物のエッグタルト「パステル・デ・ナタ」も売られていてなかなか面白いのですが・・・筆者はせっかくのポルトガル、美味しいポルトガル料理をきちんと食べようと、こちらでは何も食べずに店を出ました・・・。
す、すみません。というわけで写真は少なめですが、ポルトでサクッとランチしたい、とかマクドナルドを極めたい達人はぜひ立ち寄ってみて。そういえばドナルド君に会わなかった気がします。ここのドナルド君は、やはりあのムキムキのワシ君なのでしょうか・・・。
シャンデリアのあるマクドナルドって・・・!
住所:Praça da Liberdade 126, 4000-322 Porto
営業時間:8:00~2:00(金・土のみ3:00)
定休日:なし
ポルトガル・ポルトの世界一美しい場所へ行ってみよう!
ジブリ映画「魔女の宅急便」の舞台のひとつでもあるポルト。世界遺産に登録された街には「世界一美しい」と讃えられる場所も、他の都市よりたくさん存在しているのです。
今度はあなただけの「世界一美しい」場所を見つけに、ポルトガルに出かけてみましょう。
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