ポルトガル・ユーラシア大陸最西端で夕陽を見る!ロカ岬行き方と攻略法【2020年最新】
太陽は西に沈みます。では西の果てではどんな日没を見ることができるのでしょうか?という疑問から、世界最大の大陸「ユーラシア大陸」の西の果て、ポルトガルに行き、ユーラシア大陸最西端の岬「ロカ岬」で夕陽を見ることにしました。行き方や交通情報などの攻略法をお教えします。ポルトガル旅行では外せない素晴らしい夕日と出会えました!
ポルトガルの首都・リスボンからすぐ!ユーラシア大陸最西端のロカ岬
ポルトガルはユーラシア大陸最西端に位置する「西の果ての国」。ポルトガルの中で最西端にあるロカ岬(Cabo da Roca)こそが、「最西端の夕陽」を見ることができる場所です。
ロカ岬には1772年に建設された灯台があり、250年近くたった今でも現役で活躍しています。
250年現役の灯台、凄すぎ!
「ユーラシア大陸最西端の夕陽を目指す旅」というと、「◎◎探検隊シリーズ」のような過酷な冒険旅行を想像してしまいがちですが、そのハードルは意外と低く、自力で行くことができます。また、早朝から出かけ、日没の時間を意識して行動すれば「世界遺産の街+ユーラシア大陸最西端の夕日」を合わせて1日で巡ることができますよ!
出発はポルトガル旅行なら大半の人が立ち寄る首都・リスボン。その中心地にあるロシオ駅がスタート地点です。ロシオ駅の駅舎も素晴らしい歴史的建造物なので、少し見学する時間を作って出かけましょう。
1886年にポルトガル人建築家ジョゼ・ルイス・モンテイロによって建設された駅舎は「ネオ・マヌエル様式」というポルトガル独自の優美な建築様式で造られたファサードが美しい~。特に二つの馬の蹄鉄をかたどった入り口のセンス、駅舎内の彫刻、駅構内の様式も見学する価値ありですよ!
中央のエントランスが馬の蹄鉄!このセンス、どうなの?
まずは世界遺産の街・シントラへ!
旅のヒント1:世界遺産シントラ観光と夕陽を1日で見たい場合
まずはロシオ駅から電車で約40分のシントラ駅まで向かい、カスカイス(Cascais)行き403番のバスに乗ります。
ここで旅のヒント。
シントラは1995年「シントラの文化的景観」として世界遺産に登録された素晴らしい町。リスボンに滞在する人が日帰りで旅するのはもちろん、シントラに滞在して点在する世界遺産の歴史的建造物を見学する人も多くいます。
シントラ観光と夕陽を合わせて1日で巡りたい場合は、ロシオ駅で鉄道とシントラでのバスが乗り降り自由になる「Train&Bus 1 day TravelCard」(€16.3)もしくは、シントラ駅から使えるシントラ周遊パス「Bihete Train & Bus」(€15)を購入すると、ロカ岬往復のバスに使えるのでお得。
詳しいシントラ観光攻略方法は別の記事に書かせていただいたので、そちらを参考にしてくださいね!
素通りする訳にはいかないシントラという素晴らしい世界遺産の街
ロカ岬の日没時間を把握せよ
夕日を見るためには、日没時間の把握はマスト。ぎりぎりに行っても岬にたどり着く前に太陽が落ちてしまい、何時間も前に行っても周囲に何もないロカ岬ではかなり退屈します。
日没1時間前から30分前前に到着し、ベストな時間には岬の突端で最高の時間を過ごしたいもの。そのためにも2020年の最新日没情報をお教えします。
下記の表を見て「あれ?4月はなんで3日も観測しているの?」と思うかもしれません。実際筆者もそう思いましたが、前月3月1日を見てわかる通り、それまで1か月30分程度の時差がいきなり1時間30分開いています。それだけ日没の時間の差が激しく遅くなる月のため、細かく観測しているとのこと。
シントラからロカ岬の乗車所要時間は約45分。日没ぎりぎりの時間に到着すると、バス停からベストポジションまでたどり着けないので、時刻表を見ながら自分の行動と照らし合わせて動く必要があります。
旅のヒント2:2020年最新・ロカ岬年間日没時間
1月1日 | 17:26 |
2月1日 | 17:59 |
3月1日 | 18:31 |
4月1日 | 20:02 |
4月17日 | 20:17 |
4月18日 | 20:18 |
5月1日 | 20:30 |
6月1日 | 20:57 |
7月1日 | 21:06 |
8月1日 | 20:48 |
9月1日 | 20:07 |
10月1日 | 19:19 |
11月1日 | 17:37 |
12月1日 | 17:16 |
赤字になっている日没が20時以降のシーズンは、自力でバスで戻る時間を考えると、かなり厳しい。シーズンによりバスの運行状況も変わるので、そこは現地の時刻表を参考にするとして、21:00超えの日没の7月は、リスボンにその日のうちに戻ることは自力では無理と捉えましょう。
それでもユーラシア大陸最西端の夕日は絶対に見ておきたいもの。渡航が日没遅め月にあたっている人はリスボン発やシントラ発のオプショナルツアーを利用するのも賢い方法です。
トラベル・スタンダード・ジャパンのツアーはオプショナルツアー手配も他と比較しても驚きの安さなので、リスボン旅行と合わせてご相談ください。
ユーラシア大陸到達記念証明書をゲット
筆者は2月初旬に行き、17:59の日没を目安にシントラ駅のバス停の時刻表を参照し、カスカイス(Cascais)行き403番のバスに乗車。ロカ岬で下車しました。
シントラから来るカスカイス(Cascais)行き403番
バス停に降りてすぐの場所にある観光案内所では「最西端到達証明書」を発行できます(種類により料金が異なります)。ポルトガルに住んでいない限りは、ユーラシア大陸の最西端に来ることは滅多にないはず。「来たぜ!」という証明書は記念に欲しいものです。
日没ぎりぎりにくると「とにかく夕日と日没を見てからもらいに来ればいいやー」と思う人もいるかもしれませんが観光案内書は18:30に閉館。日没後はバスの本数が少ない上に、バスの乗客が殺到します。証明書が欲しい場合は日没より1時間は余裕をもって到着の上、証明書を発行してもらってから、日没を待ちましょう。
バス停を降りてすぐの観光案内書
のんびりとした仕事風景
ユーラシア大陸最西端の夕日を待つ
日没が近くなるとロカ岬の灯台もオレンジ色に染まります。そして、ユーラシア大陸最西端の夕日をひと目見ようとやって来る観光客の姿もどんどん増えていきます。
世界中からユーラシア大陸最西端の夕日を見るために人が集まる
旅のヒント3:記念碑の文言の意味を知ると大航海時代の背景が見える
ロカ岬に建つ大きな十字架モニュメントには、ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの詩が刻まれています。
「ここに地果て、海始まる」
ロカ岬に際立つ十字架のモニュメント
詩人ルイス・デ・カモンイスの詩「ここに地果て、海始まる」
多くのポルトガル人が、母国ポルトガルを地の果てだと考えていました。ロカ岬の断崖絶壁は、地球が丸いと信じられていない時代、なぜこここが「地の果て」と形容されたのか、よく理解できます。 目の前に広がるのはどこまでも続く真っ青な大西洋。陸ひとつ見えず「この海の果てには何があるのか?」という好奇心がふつふつと湧き上がってきます。その熱い思いこそがポルトガルが7つの海を制した15世紀の大航海時代のきっかけになったに違いありません。
世界的な冒険家ヴァスコ・ダ・ガマはポルトガルに生まれ、旅立ち、インド航路を開拓。日本の公式な記録に残るヨーロッパ人の日本への初上陸も1542年。種子島に流れ着いたポルトガル人でした。最西端の国が極東の国に興味を持つのは当然のことかもしれません。
ここは「地の果て」だからこそ「未知の世界に旅発たねばならない」という思いが強くなり、数々の国を発見し、様々な国を世界に知らしめる偉業を達成できたに違いありません。
確かにここで世界が終わっているように見えるロカ岬
旅のヒント4:落ちるな!
いきなりの「落ちるな!」発言、驚かせてごめんなさい・・・。
事実、ロカ岬からは数々の観光客が滑落しています。筆者が行った時にも「この人たちは一体何を考えているのだ?」という危険な外国人がいっぱい。みな自撮り画像や動画を撮影しています。
がけ崩れは日常茶飯事。さらに柵がないため落ちたら死ぬ
昨今のinstagramやYOUTUBEなどSNSの流行と自撮りブームで「地の果て」であるロカ岬に悲劇が多発しています。それは滑落事故。
ロカ岬の観光案内でも柵より向こうには立ち入らないよう呼び掛けていますが、自撮り好きの人々が警告を無視。柵内に入り、自撮りをしているうちに滑落して死亡する事故が多発しているのです。ロカ岬の岬の突端には柵はありません。柵があってもだいぶ余裕を持った敷地にあるので「まだまだ先に行ける」と思われてしまうようですが、海風と地質でとても地すべりしやすく、がけ崩れも頻繁に起こっています。波も荒く滑り落ちたら助からない可能性が高いので、柵の向こうには絶対に立ち入らないようにしてください。
立ち入り禁止の柵を無視して危険地域に入る人、多数
これがユーラシア大陸最西端の夕日
日没が迫ると、確かにここは地の果てであるという実感がこみ上げます。この先に何もないと思わせるほど空と海の境界線がなくなり、一面オレンジ色に染まるのです。
ヨーロッパから見ると、極東に位置する日本。西の果てにやってきたという実感がここまで沸く場所が他にあるでしょうか?
目に焼き付けたい日没の瞬間
国籍問わず、その場にいる全員がオレンジ色の光に包み込まれる瞬間、思わず涙する人も。 ユーラシア大陸の最西端に沈む夕日を求めてやってきたこの地。ここで気付くのは、極東から見て「西」に沈むはずの太陽が、西の果てに行っても、西のもっと先に沈むということ。
「やっぱり地球って丸いのか!」
そう。太陽はどこまで追いかけても、西に沈む。それを教科書ではなく目で知ることになるのです。恐らくこの感動は、この場にいないとわからないはず。あなたもぜひ、体験してください。こんな感動体験ができるのも、ヨーロッパの西の果て、ポルトガルならではですね。
どこまで行っても、西に沈むでっかい太陽!
ポルトガル・ロカ岬MAP
所在地:Estrada do Cabo da Roca s/n, 2705-001 Colares, Portuga
アクセス:シントラ駅より403番バス乗車で約40分またはカスカイス駅より403番バス乗車で約30分
※日帰りでリスボンに戻る場合、ロカ岬からはシントラ駅へ戻らず、403番のカスカイス行きバスでカスカイスへ向かいましょう。約30分ほど。ただし終点の「カスカイスバスターミナル」ではなく、終点1つ前の停留所がカスカイス駅の最寄バス停になります。乗客はほとんどここで降りますが、不安な場合は運転手さんに確認すること。
西の果ての夕日を見に行こう!
西の果ての夕日。一生に一度は見てみたいですね!
トラベル・スタンダード・ジャパンのポルトガルツアーはびっくりするほど安いので、秋の4連休や、年末年始の旅行に最適。
年末最後の夕日や年始最初の夕日をユーラシア大陸最西端で見れたら、号泣してしまいそう。個人で自力で旅することがめんどくさいなあ、と思ったら、とっても安いオプショナルツアーも手配できるので、相談してくださいね。
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