江戸元禄に創業の長い歴史を持つ城崎温泉の老舗和風旅館「ゆとうや旅館」
開湯1,300年の歴史を持つ関西有数の温泉地・城崎温泉。情緒ある温泉街の一角、歌舞伎座を空想させる外湯「一の湯」の前にゆとうや旅館はあります。創業は江戸の元禄時代という歴史あるゆとうや屋旅館は、長い歴史の中で数多くの文人墨客に愛されてきた老舗の温泉旅館。古き良き和風建築にどこか懐かしさを感じながら、くつろぎの時間を過ごしてみませんか?
江戸時代・元禄元年創業の伝統と品格を兼ねそろえたお宿
江戸時代・元禄元年(1688)創業し、古くからその伝統と品格を伝承してきたゆとうや旅館。お宿を訪れるとまず国指定文化財の表門や塀に厳格さや重ねられた歴史の深さを感じることでしょう。施設内には客室の他に渡り廊下や土蔵など国指定有形文化財に登録されている建築物が全部で7つあり、それらは歴史的な温泉街の景観形成に重要な役割を果たしているとして評されています。特に詠帰亭は昭和天皇・香淳皇后もご宿泊されたことがあり、屋根や内装に施された和風の意匠が高く評価され、2015年3月13日に国の有形文化財として登録されました。
その厳格さや重ねてきた歴史の重厚さに最初は緊張を覚える方も多いかもしれませんが、自然と和の懐かしさに郷愁を覚え、リラックスしていくことでしょう。
重厚な門構え
国の有形文化財に登録されている
数多くの文人墨客が逗留した歴史ある宿
長い歴史の中で、ゆとうや旅館には皇族の方々をはじめ、数多くの文人墨客が逗留しています。まず昭和43年(1968年)には天皇皇后両陛下、昭和57年(1982年)には皇太子殿下はじめ皇族の方々の貴賓館として利用されました。また、近世には田山花袋や島崎藤村、松瀬青々、与謝野寛・晶子夫妻など、日本を代表する文人墨客が訪れたことでも知られています。館内にはこういったゆとうや旅館ゆかりの文人の方々の書や絵を観覧できるギャラリーも設けていて、貴重な資料を間近でご覧になることができます。
貴重な資料を見ることができる
敷地内には2,000坪の日本庭園も
重厚な門をくぐり、敷地内に一歩足を踏み入れると出迎えてくれるのが約2,000坪の日本庭園です。四季折々で姿を変える日本庭園は自然林の裏山や建物と一体感があり、城崎温泉の街の中とは思えない静かさが広がっています。5棟あるすべての部屋がこの庭に面しているため、季節ごとに変わる美しい景観を部屋からゆっくりと眺めることができます。
約2,000坪の日本庭園
広々とした男女別の大浴場と貸切露天風呂
城崎温泉と言えば外湯巡りが人気ですが、旅館内にも内湯が完備されています。大浴場は男女別となっており、それぞれ大きく縁取られたガラス張りの窓から美しい日本庭園の眺望が楽しめますよ。季節の移ろいを感じながら、城崎温泉の心地よい湯を堪能してみてはいかがでしょうか。
大浴場からは美しい日本庭園を眺めることができる
また、露天風呂は貸切制となっていて、こちらは温泉ではありませんが贅沢なプライベート空間の中でゆったり気分を満喫できます。脱衣所は今までにないようなお座敷のような広い造りとなっていて、何とも贅沢な気分を楽しめますよ。まるで日本庭園と溶け込むような一体感のなか、ぜひ人の目を気にせずゆっくりと露天風呂を堪能してみてください。
貸切制露天風呂
・大浴場
利用時間:15:00~24:00、翌6:00~9:30
・貸切露天風呂「百華」
利用時間:15:00~深夜11:00
料金:45分3,500円(税抜)
気軽に外湯巡りも楽しめる立地
もともと城崎温泉は外湯のみの温泉街として発展し、昭和31年まで内湯の浴場はありませんでした。今でも城崎温泉は外湯に行くのが基本の温泉地であり、街の中には7つの趣が異なる外湯が点在しています。そのうちのひとつ、歌舞伎座を想わせる外装が見事な「一の湯」の前にあるのがゆとうや旅館です。
旅館の宿泊者は何度でも自由に外湯の入浴券を使用できるので、気軽に外湯巡りも楽しめますよ。近くには「御所の湯」「柳湯」もあるので、ブラブラと散策がてら足を運んでみてはいかがでしょうか。
全室が日本庭園を望める贅沢な造り
ゆとうや旅館の全16室ある客室は、すべて日本庭園を望める贅沢な造りとなっており、街の中心地とは思えないほど静かな雰囲気に包まれています。
ちなみに客室は全て、全国的に使われている”江戸間”よりも26%大きい”京間”の畳を用いているため、広々としているのも魅力のひとつ。今回は、数ある客室の中でも新館の「桂雲館」と本館の「雲生亭」「滴水楼」を紹介します。
ゆったりと広い「桂雲館」
「桂雲館」は新館にある和モダンの内装が素敵なお部屋です。大きく縁取られた窓からは緑いっぱいの日本庭園の眺望が楽しめて、ゆっくりと寛げる空間が広がっています。各部屋の間取りはそれぞれ異なっており、1階のお部屋には堀りごたつとお風呂がついています。
和モダンの内装
緑いっぱいの日本庭園の眺望
和の情緒が落ち着く「雲生亭」「滴水楼」
本館にある「雲生亭」「滴水楼」は、和の情緒が感じられる落ち着いた雰囲気の和室です。窓からは裏庭を借景にし、日本庭園を眺められるよう設計されており、人工と自然のコントラストを楽しめます。しっとりと美しい庭を眺めながら、ゆっくりと寛いでみてはいかがでしょうか。
手作りにこだわる贅沢な会席料理
夕食・朝食共に食事は可能な限り手造りにこだわり、食材は蟹や但馬牛など地元のものをふんだんに使っています。夕食の会席料理は獲れたての地元の海の幸や蟹をふんだんにつかった贅沢な会席や、ジュージーな味わいが特徴の但馬牛を使用した会席料理など、幅広いラインナップ。地元ならではの豪華食材を炭火焼きやお刺身などさまざまな調理方法で味わうことができます。特に冬に旬を迎える松葉蟹は、宿に代々伝わる自家製白味噌出汁仕立てで用意。滋味あふれる贅沢なおいしさを堪能できます。
夕食は月替わりで献立が変わるので、何度訪れても旬の美味しさに新鮮な感動を味わえます。
朝食は「健康的な朝ごはん」をコンセプトにした和定食をいただきます。おばあちゃんの手作りこんにゃくや完全無農薬野菜のサラダ、地元で有名な二方蒲鉾など、身体に優しい美味しさを朝から堪能できますよ。洞爺湖サミットでも提供され、世界のVIPが大絶賛した無農薬のコシヒカリとともに朝からお腹いっぱい堪能しましょう。
和定食の朝ごはん
食事処は完全個室なので、人の目を気にせずゆっくりと食事を楽しめるのも魅力的です。10組限定なので、ご予約はお早めに…。
個室でゆっくり
支配人に聞くゆとうや旅館の魅力
城崎温泉街の中心に位置するゆとうや旅館。外湯のひとつ「一の湯」を目の前に、どっしりとした門が印象的な宿の中は、街の中心地とは思えないほどの静かさで詩情が溢れています。
支配人は、「江戸・元禄元年(1688年)創業という歴史を感じる和風建築であるがゆえに、お客様のご要望にすべてお応えすることが難しい部分もございます。しかしながら日本建築が見直されている現代においては、当館のたたずまいに昔を懐かしく思い出し、くつろぎと安らぎの時間を感じていただけることと思っております。」と仰っていました。
玄関
渡り廊下
確かに便利な洋風の家が当たり前になっている現代においては、古い和風の建築物に不自由を覚える方も多いかもしれません。しかしいざ滞在してみると、その古さに懐かしさや居心地の良さを抱く方も少なくはないはず。きっと忘れかけていた古き良き和のすばらしさを実感させてくれることでしょう。
長い歴史の中で数多くの文人墨客に愛されてきたゆとうや旅館。歴史の長さだけでなく、受け継がれてきた伝統や品格も全国トップクラスと言っても過言ではありません。16室の客室をはじめ、食事、サービスなど全てが洗練されており、和の極みを堪能できます。ぜひ城崎温泉の滞在先をお探しの方は、ゆとうや旅館も選択肢に加えてみてください。
〒669-6101
兵庫県豊岡市城崎町湯島373番地
TEL:0796-32-2121
URL:https://www.yutouya.com
E-mail:info@yutouya.com
部屋数:16室
チェックイン/アウト:15:00/10:00
※2020年12月現在の情報となります。
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※写真提供:公式サイト