名湯有馬温泉で別荘にいるような贅沢な時間を過ごす「有馬山叢 御所別墅」

異国情緒を感じる隠れ家的な宿

もともと「清水寺」という名の寺として存在し、その後日本に西洋文化が入ってきた明治の開国時代に外国人専用リゾートとして栄えた「清水ホテル」。それを前身として、当時を踏襲して建てられたのが現在の有馬山叢 御所別墅です。日本の木造建築と西洋文化がうまく融合した建物は文明開化の香りが漂い、緑あふれる庭園では四季折々の景色を楽しむことができます。山間に位置しているため、敷地内でリスなどの小動物と遭遇することもあるとか。また、広大な敷地にもかかわらず、滞在できる部屋はわずか10部屋。しかも全室「離れ」のスイートルームという贅沢な空間となっています。部屋はヴィラタイプとメゾネットタイプの2種類で、いずれも100㎡もの広さでゆとりのある間取り。

建物やインテリアのデザイン・監修を手がけたのは、日本を代表する美術作家、綿貫宏介氏。その既存の枠にとらわれない独創的な作品を、随所で見ることができます。飾られている絵画はすべて綿貫氏の作品で、建物全体を通してその世界観を感じることができ、ちょっとした美術館のようです。

風情を感じる門構え（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

紅葉の季節は絶景を拝める

広々としたロビー棟

日本最古の宿「御所坊」（系列の旅館）の倉庫から発見されたランプ

石畳が続く情緒ある外観（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

野生のイノシシの侵入を防ぐために詰まれたレンガ

天井が高い平屋造りのヴィラ

リビングルーム、寝室、サーマルルームがワンフロアに配されたヴィラ。ロビー棟から石畳を歩いた先に位置しています。ステンドグラスが施された玄関の扉を開けると、出迎えてくれるのはクラシカルな雰囲気のリビングルーム。天井が高く、とても開放感があります。黒みがかった茶色に統一された調度品はとても上品な印象。なかでも、綿貫氏のデザインでもあるリビングテーブルは重厚感があり、存在感も抜群です。このシックな装いと、明るく模様の入った絨毯、さらに寝室を隔てる和風の建具などが見事に融和しており、インテリアの細部にまでこだわりを感じられます。

奥にある寝室はシンプルで、ホッとひと息つける落ち着いた雰囲気です。窓の外に見える自然を眺めながら、うとうとうたた寝するのも心地いいかも。また、客室によっては御所泉源、妬泉源を引湯しており、部屋で有馬温泉の一番風呂に入れるというこの上ない贅沢も味わえます。さらに特徴的なのはサーマルルーム。人間の体温程度に温度設定された温熱リラクゼーションルームで、免疫力を増す効果があると言われています。飲み物を飲みながら、テレビを見たり読書をしたりしてじっくりと汗をかけば、夜もぐっすり眠ることができそうです。

レトロモダンのリビングには、綿貫氏のデザインのテーブルが鎮座している

窓の外に見える清水池（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

温泉を楽しめる客室（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

趣のあるデスク

広々とした寝室にも綿貫氏の絵画が飾られている（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

ステンドグラスがノスタルジックな雰囲気（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

螺旋階段が印象的な木造2階建てのメゾネット

木造2階建てで、2階部分に玄関とリビングルーム、1階にベッドルームと浴室があるメゾネット。ロビー棟から少し離れた場所にありますが、「動く歩道」を利用して行くことができます。リビングルームはヴィラと同じくシックでレトロな雰囲気。片隅には小上がりの和室もあるので、温泉を堪能した後にごろりと横になることもできます。趣のある螺旋階段を降りると、オットマン付きの1人掛けソファも備えた、ゆったりとした寝室があります。

ウッドテラスの先に見えるのは、滝川。川のせせらぎを聞き、緑の香りを楽しみながら癒しの時を過ごせます。夏には川を飛び回るホタルが見られるかも。もちろん、メゾネットにもサーマルルームはあります。隣の浴室には檜風呂が完備しているので、心地よい汗をかいた後にゆっくりと風呂につかるのもいいですね。

小上がりの和室があるリビングルーム（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

印象的な螺旋階段から見る寝室（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

ウッドテラスでくつろぐのも心地よい（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

「動く歩道」でラクに移動

檜風呂が完備

サーマルルームでリフレッシュ（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

良質な素材を使用した山家料理を堪能

敷地内にあるレストラン棟でいただけるのは、創作山家料理。地元の旬の野菜や自家栽培の米、明石浦漁港で仕入れた新鮮な海産物、但馬牛などの最高級和牛など厳選された素材を使い、丁寧に生み出された山家会席は、目でも舌でも楽しむことができます。兵庫産の日本酒や、選りすぐりのワインとのマリアージュも魅力のポイント。

目の前に大きな窓があるカウンター席からは、有馬三山のひとつ落葉山の風景が広がります。季節ごとに変える表情はいつでも目を楽しませてくれますが、なかでも紅葉の時期には息を呑むほどの美しさ。雄大な自然を眺めながら、特別なひとときを過ごせます。

見た目も美しい組肴（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

選りすぐりのワインと共に（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

素材の味を活かした料理（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

最高の景色を眺めながら食事を堪能

日本最古の名湯で体の芯まで温まる

有馬温泉は言わずと知れた日本最古の名湯です。いくつかの泉質がありますが、有馬山叢 御所別墅で入れるのは、有馬温泉古来の鉄分を含んだ金泉です。冷え性や腰痛、末梢血行障害などに効果があり、また塩分が肌について薄く皮膜となり保湿・保温効果も持続します。温泉棟「有馬山叢 陶泉」のお湯は御所泉源から掛け流し。

江戸期の湯治場として使われていた有馬の湯殿の大きさを模した造りになっています。当時のこじんまりとした大きさの湯船は趣深く、薄暗い空間と天井から差し込む光がとても落ち着いた雰囲気で、疲れた心と体を癒してくれます。

温泉に浸かった後は、併設の部屋で、都心部にある5つ星ホテルにも技術提供するアロマテラピーサロンによるアロマテラピーを受けることもできます。天然芳香鉱物から抽出した純度の高い製油を使い、優しくトリートメント。芳しい香りと心地よい刺激で極上のひとときを味わうことができます。

有馬山叢 陶泉

有馬温泉古来の成分を含む金泉（写真提供：有馬山叢 御所別墅）

どことなく懐かしい気持ちになる洗い場

水分補給をしながら温泉を楽しむ

いかがでしたか。単なる和洋折衷の旅館というくくりではなく、文明開化とともに発展した歴史的観点からも高い価値を持つ有馬山叢 御所別墅。異国情緒あふれる空間で名湯を愉しみ、美味しい食事をいただき、広々とした風情ある客室で、街の喧騒を忘れてゆっくりと過ごしてみませんか。