マヤ文明の遺跡には謎がいっぱい！知れば知るほど面白くなる 世界遺産「チチェン・イッツァ」

マヤ文明の遺跡 世界遺産「チチェン・イッツァ」とは？

チチェン・イッツァの「エル・カスティーヨ」

チチェン・イッツァとは、マヤ語で「チチェン＝泉のほとり」と「イッツァ＝人」という意味。ユカタン半島に多く点在するセノーテ（聖なる泉）を中心にして都市が繁栄したことから、そのように呼ばれていたと推測されています。

チチェン・イッツァ遺跡は、6世紀ごろに築かれた「旧チチェン・イッツァ」に属する南エリアと10世紀以降に構築されたマヤ・トルテカ文明の文化が取り入れられている「新チチェン・イッツァ」に属する北エリアの2つのエリアに分かれています。

マヤ文明を象徴するピラミッドのひとつ「エル・カスティーヨ」

メソ・アメリカと呼ばれる、メキシコからコスタリカにかけての密林地域には、多数のピラミッドが見つかっており、そのなかでも有名なピラミッド「エル・カスティーヨ（ククルカンの神殿）」をチチェン・イッツァ遺跡内で見ることができます。

カンクンから世界遺産「チチェン・イッツァ」へのアクセス

世界遺産 チチェン・イッツァは、日本人観光客にも人気のカリブ海リゾート地「カンクン」から約200㎞の位置にあります。カンクンから車で移動した場合の平均走行時間は2時間半～3時間ほどです。

カンクンからのアクセス方法は大きく分けて3通りあります。
・オプショナルツアーに参加する（ホテルまでの送迎付き）
・地元のバスを利用して自力で行く
・レンタカーを運転して自力で行く

チチェン・イッツァ観光へ行くならば、オプショナルツアーに参加する方法が一番簡単&安心です。

カンクンからの道のりは、ホテルゾーンを抜けて高速道路のような道をひたすら車で走行します。道路脇に草が生い茂った景色が永遠と続くので、出発時間が早朝だったりすると眠くなるかもしれません。途中で1回のトイレ休憩をとり、チチェン・イッツァに到着。カンクンのホテルを出発してから、ちょうど2時間半かかりました。

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たくさんの観光客で賑わう「チチェン・イッツァ」

チチェン・イッツァに到着！

チチェン・イッツァのエントランス入口

エントランスホールに人が続々と集まってくる

チチェン・イッツァに到着したとき、時計は10:40を指していました。しかし、これは間違い。訪れた時期は11月だったので、カンクンが位置するキンタナロー州とチチェン・イッツァが位置するユカタン州の間には1時間の時差が発生します。そのため、ユカタン州にあるチチェン・イッツァに到着した現地時間は9:40となります。
※サマータイムの期間（4月の第1日曜日～10月最終日曜日）は、キンタナロー州とユカタン州の間に時差は発生しません。

チチェン・イッツァのオープン時間は8:00。オープンしてからまだ1時間半ほどしか経っていませんが、駐車場には続々と車やバスが到着。観光客の方も続々と降りて、チチェン・イッツァ内に入っていきます。

「チチェン・イッツァ」のエントランス施設

チチェン・イッツァのチケットブース（入場料）

チケットブース

チチェン・イッツァの入場チケット

「チチェン・イッツァ」のエントランスにあるチケットブースには、入場チケットを求める人の列ができていました。オプショナルツアーによって、入場チケットがツアー料金に含まれている場合と含まれていない場合があります。もしも、ツアー料金に含まれていない場合は、こちらで購入しましょう。

チチェン・イッツァのチケットは2枚組となっています。INAH（メキシコ国立人類学歴史研究所）とAAFY（ユカタン州政府）のふたつの管轄機関がそれぞれ入場料を設定しており、両方のチケットを購入しないとチチェン・イッツァに入場することはできません。

チチェン・イッツァの入場料

※2019年11月の料金（1メキシコペソ≒5円で計算）

2019年2月、チチェン・イッツァの入場料は外国人観光客向けの料金が約2倍に値上がりました。そして、その後も徐々に金額が上がっているようです。

お手洗い&売店

お手洗いには順番待ちの列が

飲み物や軽食を購入できる売店

遺跡巡りの前にお手洗いに立ち寄りたい方はこちらへ。トイレの順番待ちにも列ができています。

チチェン・イッツァは、11月でも暑い。晴天に恵まれたこの日は、30℃越えの気温だったので、外を少し歩くだけで汗が流れてきます。水分補給や紫外線対策の準備は必須です。飲み物はエントランスにある売店でも購入できます。

「チチェン・イッツァ」の見どころ5選

チチェン・イッツァは広い敷地内に点々と遺跡があるため、オプショナルツアーに参加するとツアーガイドの方が、いくつかのポイントに絞って案内してくれる場合が多いようです。滞在時間が短い場合でも、チチェン・イッツァに行ったら見逃せないポイントを5つご紹介します。

1．エル・カスティーヨ

入口からすぐに現れる「エル・カスティーヨ」

北側の階段にはククルカンの像がある

「エル・カスティーヨ」の急傾斜の階段

チチェン・イッツァの代表的な建造物である「エル・カスティーヨ」は、マヤの最高神ククルカン（羽を持つ蛇の姿をした農耕の神）を祀るピラミッド。遺跡に入るとすぐ目に飛び込んでくるので、見逃す方はいないでしょう。「エル・カスティーヨ」は、マヤの天文学を体現するために構築されたと考えられており、暦（カレンダー）の意味をもつことで有名です。

ピラミッドの四方向にはそれぞれ91段の階段があり、神殿の段数1段を合わせて合計365段。太陽暦の１年（365日）を表しています。この太陽暦と同時に、マヤの人々は1年を260日とするツォルキン暦を併用していました。365日と260日の重なる日が52年に一度訪れるのですが、マヤの人々はこの年を［災いの年］として恐れたそうです。

年に2回だけ見られるククルカンの降臨

年に2回（春分の日と秋分の日）の午後に北側の階段に日の光が当たると「ククルカンの降臨」といわれる不思議な現象が起こることでも有名です。太陽が西に傾くとピラミッド下部にある蛇の石像の頭頂部が照らし出されます。それと同時にククルカン（羽がはえた蛇神）の羽が北東の階段側面にうねるようなジグザグ模様の影となって現れる仕掛けとなっているそうです。

2．セノーテ・サグラド

チチェン・イッツァ遺跡の北側にあるセノーテ・サグラドは、“聖なる泉”と呼ばれているセノーテです。さきほど紹介した「エル・カスティーヨ」の北側の階段を背にして、金星の台座という遺跡の横を通り過ぎ、でこぼこしている道を200mほど進むと突き当りに見えてきます。

聖なる泉という名を持つ「セノーテ・サグラド」

かつては、貢ぎ物や生贄が投げ込まれていたセノーテ

セノーテと聞いて透明度の高い、泳ぐことができる場所を想像される方も多いかもしれません。しかし、セノーテ・サグラドの水は緑色に濁っていて、遊泳することはできません。

セノーテ・サグラドには雨の神が住むと信じられており、宗教儀礼に使われていました。干ばつが続くと貢ぎ物や女性や子供、男性までが生贄として投げ込まれていたそうです。そのため、これまでにセノーテの底からは装飾品や人骨が見つかっています。

3．ツォンパントリ

「ツォンパントリ」にあるドクロの絵

セノーテからエル・カスティーヨがある広場まで戻り、エル・カスティーヨを正面に見て右手に曲がった場所にツォンパントリという壇があります。ツォンパントリとは「頭蓋骨の棚」という意味。かつては、生贄の頭蓋骨に穴を開け、棒を通して、この壇の上に並べていたのだそうです。

壇の側面にびっしりと並んでいる人の頭の彫刻を見て「なんか面白い！」と思ったのですが、生贄の頭蓋骨を並べた場所だという説明を聞いて、ちょっと引いてしまいました…。

4．球戯場

球戯場

ツォンパントリのすぐ近くにある球戯場は、全長150mもの広さの遺跡です。ここで行われていた球技は娯楽のためのゲームではなく、豊穣の神に祈りをささげる宗教儀式だったと考えられています。

頭上にある石の輪がゴール

球戯場内にあるレリーフ／左：立っている戦士が人の首を持ち、中央：ボール、右：首が無く、ひざまずく戦士

当時行われていた球技の内容は、人の頭よりもはるかに高い場所にある石の輪に生ゴムのボールをくぐらせるというゲーム。そのルールも独特で、手を使わずに、上腕や腰でボールを打ったのだそう。当時の戦士たちが、どのように石の輪にボールをくぐらせていたのか、まったくイメージできません。

さらに、この球技は命をかけたゲームでした。勝利したチームのキャプテンが、首を切られて、神に生贄としてささげられていたと考えられています。その様子を描いたレリーフを球戯場内で見ることができます。

5．カラコル

旧チチェン・イッツァ区域にある「カラコル」

カラコルの上部にある丸いドームは、マヤの天文観測台だったと推測されています。なぜなら、カラコルには3つの窓が残っており、それぞれ天文観測に必要な場所に正確に窓が作られていたため。マヤ人たちは、月や太陽、星の動きを観測し、当時から正確な暦を作り上げていたことを裏付ける遺跡のひとつです。

「チチェン・イッツァ」のお土産

マヤ暦のカレンダー

マヤのカレンダー

チチェン・イッツァらしいお土産のひとつ、マヤ暦のカレンダー。カレンダーにしたい記念日の日・月・年を指定して、オーダーメイドで作成することができます。まるで絵文字のようで、かわいらしいですよね。料金はUS$25とちょっとお高めですが、売り上げの一部が遺跡の修復費に充てられるそうです。

遺跡内に並ぶ露店

道の左右に並ぶ露店

民芸品などが売られている

チチェン・イッツァは世界遺産に登録されている場所なのですが、遺跡内には多くの露店が並んでいます。これもメキシコらしい風景だと思いながら観光してみてください。もしも、店員さんから声を掛けられて困ったら「No gracias.」または「No Thank you.」とはっきり言えばOKですよ。

「チチェン・イッツァ」のグルメ

チチェン・イッツァ観光のシメは…

遺跡観光を終えて、戻ってきたエントランスホールの売店でエネルギー補給として購入したのはマンゴースムージー。ガイドさんおすすめの一品で、歩き疲れた体に染み込みます。特に暑い日には最高ですよ、お試しあれ！

「チチェン・イッツァ」観光に持っていくと便利なもの

チチェン・イッツァ観光では、たくさん歩くと思ってください。さらに、天気が良い日は気温が高く暑いです。11月の末でも30℃前後まで気温が上がりました。そのため、熱中症および紫外線対策は必要です。

服装は、季節に合った動きやすい格好がいいでしょう。遺跡内の道は多少でこぼこしていますが、急な坂道といった危険な場所は見当たりませんでした。サンダルで観光している方も多く見受けられましたが、運動靴の方がおすすめです。

チチェン・イッツァ観光に持っていくものリスト
・お金（現地で入場券を購入する場合は少し多めに）
・水
・帽子（日傘をさしている観光グループもちらほら）
・サングラス
・日焼け止め
・カメラ（ビデオカメラの持ち込みは別途料金が発生します）
・薄手の上着（バスや車内の冷房が強いことも）

「チチェン・イッツァ」の基本情報

他にもユカタン半島には見どころいっぱい

いかがでしたでしょうか？今回ご紹介した内容は「チチェン・イッツァ」のほんの一部のみ。世界遺産「チチェン・イッツァ」の遺跡内には、まだまだ多くの見どころがあります。また、周辺には他にも人気の観光スポットがたくさんあるので、まとめて訪れるのがおすすめです。鮮やかなピンク色が美しい『ピンクレイク』や透明度抜群のシュノーケリングスポット『グランセノーテ』、「アメリカ大陸 記憶に刻まれる風景30選」にも選ばれた神秘の泉 『セノーテイキル』など、息をのむ絶景が待っています。是非、実際に訪れて悠久の古代ロマンに触れてみませんか？

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