「ザ・セントレジス・フローレンス(The St. Regis Florence)」は、フィレンツェの数ある宿泊施設の中でも最高級を誇る老舗ホテル。館内はルネッサンス期の宮殿のようなクラシックな雰囲気が広がっており、お城に住んでいるようなラグジュアリーな滞在が楽しめます。
アルノ川沿いに佇む「ザ・セントレジス・フローレンス」は、外観からしてまるで貴族の邸宅のような堂々とした風格の建物。もともとはフィレンツェを代表する観光名所の一つ、ドゥオモのクーポラを手掛けた天才建築家フィリッポ・ブルネレスキの設計「ジウンティーニ宮殿 (Palazzo Giuntini)」でした。その歴史的価値の高い宮殿を19世紀に改装し、ホテルとして生まれ変わったのが今の「ザ・セントレジス・フローレンス」です。
フィレンツェの玄関口であるサンタマリアノヴェラ駅から約500mという近さにありながら、喧騒からは程遠く、静然としています。ホテルに一歩入ると、宮殿のような豪華な内装に思わず息をのむことでしょう。チェックインを行うロビーフロアからして、かつて貴族たちが会話に花を咲かせたサロンのようなラグジュアリーな佇まい。まるでルネッサンス期にタイムスリップしたかのような、不思議な感覚が楽しめます。
客室は最も標準的なデラックスルームから、趣が異なる多数のスイートルームまでバリエーション豊富。デラックスルームですらほかのホテルを圧倒するほどゴージャスな造りで、少々手狭ではありますがソファもあり、ゆったりと寛ぐことができます。ちなみに少々価格は上がりますが、デラックスルームにはホテルの目の前を流れるアルノ川を眺められるお部屋もあります。
「せっかく宿泊するならとことんラグジュアリーな客室に泊まりたい」という方は、ぜひスイートルームを予約してみてください。ホテル内にはジュニアスイートをはじめ6種類のスイートルームが設けられており、それぞれ誂えが異なります。
なかでも最高峰を誇るのが、1室しかない「プレジデンシャルスイート」。世界中のVIPが滞在してきたというこちらのスイートルームは、小さめの部屋が多いフィレンツェのホテルの中では破格の200平方メートルを誇る広々としたラグジュアリー空間。アルノ川を望める広いテラスが設けられているほか、部屋の随所にはアンティーク家具が置かれ、まさに絢爛豪華な客室となっています。
スイートルームの中には、イタリアを代表する高級ブランド「ボッテガヴェネタ」とコラボした客室も。それこそが、「ボッテガヴェネタスイート」です。ボッテガヴェネタのクリエイティブディレクターが手掛けたというこちらのお部屋は、インテリアをはじめ随所に職人技が光るほかにはない空間。ブランドのファンの方にぜひ滞在してみてほしいお部屋です。
観光地として人気のイタリアの中でも、特に芸術的な価値が高く多くの日本人が訪れているフィレンツェ。私も大好きな都市の一つです。今回紹介する「ザ・セントレジス・フローレンス」は、せっかくフィレンツェへ旅行するなら思いっきり現地の雰囲気を味わいたいという方や、豪華な旅行を計画している方に特におすすめの老舗ホテル。王様や女王様気分が楽しめます。
by橋詰
フィレンツェはイタリア中部にあるトスカーナ州都。“花の都”の愛称で知られており、その名の通り春になると桜やアーモンドなどさまざまな花が咲き誇る華やかな都です。
15世紀にかの有名なルネッサンスが開花。その中心地となったフィレンツェは、街中がまるで観光名所のような美しい光景が広がっており、歴史と芸術に満たされています。
歴史地区の中心に建つ「ドゥオモ」やアルノ川にかかる「ベッキオ橋」、歴史的価値の高い芸術品が集まる「ウフィツィ美術館」など観光名所も豊富。街にはルネッサンスを想わせる彫刻や建物が多数あるので、ただ散策するだけでも楽しいですよ。
イタリアの気候は日本とよく似ており、はっきりとした四季が存在します。
そのなかでもイタリア中部に位置するフィレンツェは地中海性気候に属していますが、たくさんの丘に囲まれた盆地であるため、他所よりも夏は暑く、冬は寒いという特徴があります。
特に冬は湿度が高く、じっとりと寒い傾向が強いです。冬に旅行の計画を立てている場合は、必ず防寒具を持参して温かくするようにしましょう。
「ザ・セントレジス・フローレンス」は、とにかくラグジュアリーな滞在を楽しみたいという方にオススメです。建物や客室の絢爛豪華さはもちろんのこと、スタッフの接客やサービスも最高峰レベル。特にバトラーサービスは素晴らしく、専属の執事が荷造りやティータイムのお手伝いをしてくれます。まるで王様、女王様になった気分が堪能できますよ。
また、館内のレストランも魅力的。アンティーク家具が随所に配置された絢爛豪華ながら上品な内装はさることながら、味も一級品。特にメインダイニングである「ウィンターガーデン・バイ・カイノ(Winter Garden by Caino)」は、ミッシェランで1つ星を獲得した高級イタリアンレストラン。とても人気なこともありディナーは予約必須なので、ぜひドレスアップして出かけてみてください。
フィレンツェ観光のベストシーズンは、気候が穏やかな3月~6月中旬、そして秋口の9月~10月と言えるでしょう。ただ、フィレンツェには四季があるため、季節に応じてさまざまな魅力が楽しめます。目的に応じて旅行時期を決めるのも良いかもしれませんね。
例えば美しい花々が彩る街並みを楽しみたいなら、5月ごろがおすすめです。この時期は“花の都”という別名の通り、さまざまな花が咲き誇ります。気候的にもとても過ごしやすい時期ですよ。
一方で、ポルチーニ茸や栗など秋ならではの味覚を楽しみたいなら、9月~11月の秋のシーズンがおすすめです。
日本からフィレンツェまでは、残念ながら直行便が就航していません。そのため、フィレンツェまでの交通手段として一般的なのは、経由便。経由地は航空会社によって異なりますが、多くはアムステルダムやローマ、ミラノ、ウィーン、フランクフルトなどを経由し、電車か飛行機を乗り継いでアクセスすることになります。
ヨーロッパ各地からフィレンツェペレトラ空港(FLR)への路線を就航している主な航空会社は、「エールフランス」「ルフトハンザ」「スイスインターナショナル」「KLMオランダ」「オーストリア航空」の5社となります。このうち、「KLMオランダ」以外は全日空(ANA)と提携しています。
経由地によって飛行時間は異なりますが、大体2時間以内でフィレンツェまでアクセス可能です。時間をかけず簡単にフィレンツェまで移動したい方は、飛行機での移動が最適と言えるでしょう。
もし「目的地はフィレンツェだけ」「メインの目的地はフィレンツェ」という旅のプランの場合、まずローマのフィウミチーノ空港へ向かい、特急電車に乗ってローマのテルミニ駅へ行き、そこから乗り換えてフィレンツェのサンタマリアノヴェッラ駅へアクセスする方法がおすすめ。このアクセス方法が一番早く、運賃も安くて済むからです。
空港からテルミニ駅までは、レオナルド・エキスプレスという電車で向かいます。こちらは自由席の電車なので、どこに座ってもOK。テルミニ駅に着いたら、特急電車に乗り換えます。
イタリアの特急電車には「イタロ」「トレニタリア」の2種類ありますが、イタリア旅行に慣れていない場合は「イタロ」の方が良いでしょう。と言いますのも、「トレニタリア」には特急のほかに普通電車があり、間違えやすいからです。その点、「イタロ」は特急電車しかないので、乗車する路線や降りる駅を間違える心配が少ないと言えます。
フィレンツェの中心部にある「ザ・セントレジス・フローレンス」は、ルネッサンス期の面影が残る絢爛豪華な老舗ラグジュアリーホテル。夫婦や家族での特別な旅行はもちろん、シングルルームも用意されているので、頑張った自分へのご褒美ひとり旅にもおすすめです。