フランス・パリでのストライキは2019年12月5日!どうなるの?最新情報あり
芸術の街、グルメの街フランス・パリですが、かつては時の王すら処刑に導いた民衆の力の強い革命の国であり、今も政府に対する強い意志を現す国民性。毎年何度かストライキが起こます。次回の大きなストライキ予告は12月5日。決行するか否かは前日までわかりません。今回のストライキは決行されると旅行者にどんな影響があるのでしょうか?
2019年12月5日からのフランス・パリ最新ストライキ情報(2019年11月29日更新)
記事内のストライキ情報に追加が発生しました。ストライキの情報は前日まで正式なことが何もわからないものです。回避される場合もあります。ストライキ前日に正確な情報を日本語で知りたい場合は、ストライキ前日の決定段階で外務省のホームページにも掲載されるので、日本orフランス、途中経由地からこまめに確認されることをお勧めします。
11月29日現在分かっているフランス・パリのストライキの最新情報をお届けします。
記事内に「エールフランス(Air France)」のストライキの件で記載させていただきましたが「エールフランス」の地上職員の労働組合FO Air Francが12月5日のストライキへの参加を決めました。
乗務員の表明は今のところありませんが、5日にエールフランス利用の方は、混乱が予想されます。詳しくはエールフランスのサイトをご覧ください。
フランス鉄道(SNCF)が12月5日にストライキを予定
ロンドン~パリ間を運行する「ユーロスター」は、12月5日当日と、6日の一部列車を運休する可能性があります。チケットをまだ抑えていない人やまだホテルの変更が可能な場合は、パリ⇒ロンドンまたはロンドン⇒パリ間は12月4日までに移動する、他の移動手段に変更するなどの対策を考えた方が良いかもししれません。詳しい情報はユーロスターの公式サイトをご確認ください。
頻繁にストライキの起こる国・フランス
フランス旅行を考えたことがある人は、既にご存知かと思いますが、フランスでは年に何回もストライキが行なわれます。そしてストライキに伴い、大規模なデモ行進が行われることも、珍しいことではありません。
「ストライキ」「デモ行進」と聞くと「恐い!」「物騒!」「フランスは大丈夫なのか?」
・・・と思いがちですが、権利を主張するのが当たり前のフランスにおいて「選挙時の公約と違う」とか「年金が減らされるなんてとんでもない」という思いを行動にします。最近ではマクロン大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」運動が有名ですね。
「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」運動
ストライキが起こるとどうなるの?
テロや自然災害とは異なるので決して危険なものではありません。
もちろんデモ行進が白熱すると、警察とデモ隊がぶつかることはありますが、フランスの場合は、よほどデモ隊に近付かない限り、旅行者が危険な目に合うことはありません。とはいえ・・・「危険なものではないから渡航には影響なさそう」「デモ行進に近付かなければ大丈夫」と、まったく気にしないと大問題に!
飛行機が欠航?エールフランスのストライキ
ストライキの種類によって、クローズする施設、ストップしてしまう業種が変わります。
例えば日本人にとって「またやってるの?」と思ってしまうほど、ストライキを起こすエールフランス。もしあなたがエールフランスのチケットを運悪く「エールフランスのストライキ」予定日に予約していたら・・・大変。ストライキ日は予告されるものの、前日までストライキを決行するのか否かは誰にもわかりません。
ストライキが決行され、飛行機が欠航された場合、もちろん企業側の都合による欠航なので、航空券は無料で振替えてくれます。変更が厳しい場合は払い戻しにも応じてくれます。しかし、この場合、前日まで最新情報の収集をしなければならない上に「行けなくなったらどうしよう」という心配、また、ホテルの予約はどうなるのか・・・などなど出発までのストレスは想像を絶します。
航空会社のストライキだけには当たりたくないものですね。
チケットを抑えた日から渡航先の情報はきちんと調べる癖をつけたい
フランス人全員に関わるストライキは店も会社もクローズ
もうひとつ。想像するだけで恐い「旅行時期に絶対に当たりたくないストライキ」は、フランス人全員の社会制度や保障にかかわる法改定などのストライキ。駅の閉鎖にはじまり、電車、メトロ、バスの運行中止、学校、観光名所、レストランが休業・・・もしかしたらフランス資本のホテルもクローズするかも?
安心してください。
ストライキが珍しくない国、フランスだからこそ、国のすべてが止まってしまいかねない全体的にマイナスな法改正は非常に稀・・・とはいえ「絶対にない」とは言い切れません。
とにかくストライキの予告があった場合、自分の予約した航空会社や、フランス人全員にかかわるものでない限り、必要以上に心配することなし!
「今度は一体、何のストライキなの?」
と、調べておけば、フランス国内の移動手段を変えるだけで済む場合や、見る場所を変えれば良いだけの場合が多いのです。
フランス人はストライキに対して寛大
日本では企業のストライキで交通機関をはじめインフラがストップする事態は、非常事態と言っていいでしょう。企業は信用すら失います。もちろんストライキはフランス人にも困るはずで、不満がない訳がありません。
しかし、フランス人の反応を見ていると、「またストライキか。仕方がないなあ」という雰囲気程度しか感じられません。彼らは「権利を主張するのは当然」と考える人が多いので、ストライキを起こす心情を理解しているのです。
主義主張は電車の運行より大事。「仕方がない」で許せるフランス人
次のストライキ予告は2019年12月5日!
パリで予定されている12月5日からのストライキの影響は?
クリスマスシーズンや年末年始にフランス旅行を考えている人の中には、2019年12月5日から無期限でパリ交通公団(RATP)がストライキを行う、という予告をキャッチしている人も多いことでしょう。
パリ交通公団は、メトロ、近郊高速鉄道、路面電車、バスという、パリ市内・近郊の交通網を運営しているため、ストライキが回避されない場合、スムーズなパリ観光が難しくなります。
またパリ以外の街への移動も、パリ国有鉄道がストライキに加わる可能性があり、パリからモンサンミッシェル、ボルドー、リヨン、マルセイユなどへの自由な鉄道旅ができなくなってしまうかも!
ストライキが決行されるとパリ市内のメトロはストップ
2019年12月5日 フランス・パリのストライキの原因
2019年12月5日に予定されているストライキは、マクロン大統領が行った年金制度の改革が原因です。フランスにはこれまで、職業別に年金制度がありましたが、それを廃止し、全職業の統一年金制度の導入が計画されています。
ストライキを予定しているパリ交通公団の職員は、夜間の労働や土日祝日の労働、地下環境での労働など、他の職業よりも労働環境が悪く、早期退職する権利が認められていました。もちろん、早期に退職した分、早く年金がもらえるわけです。しかしこの年金制度改革が実現すると、他の職業と同じ年齢まで働くこととなり、年金受給の年齢も引き上げられてしまいます。多くの職員がこれに反対しているのです。本年9月にも同様のストライキが実施され、パリ市内の交通網が乱れました。
ストライキ決行時のシャルル・ド・ゴール空港⇔パリ市内移動法
クリスマスイルミネーションの一番美しいパリを見るために取ったチケット、ホテルの予約・・・ストライキだからといってキャンセルしないでください!
旅行を楽しめる方法はたくさんあります。まずは今回のストライキで一番影響を受ける空港からパリ間の往復移動方法をお教えします。
頼れるバス!ル・ビュス・ディレクト(Le bus direct)
ストライキが決行されると、パリ交通公団の運営する公共交通網が使用できません。シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内、そして帰国のための逆方向の交通として、多くの人が利用する電車RER B線と、ロワシーバスは両方とも運行しない可能性があります。
そんな時の強い味方が空港とパリ市内の往復運転を行っているLe bus direct(ル・ビュス・ディレクト)。パリ交通公団とは異なる会社が運営しているため、今回のストライキが起きても運行してくれそうです。
2019年現在の料金 大人€12 /子供(4-11歳)€7 /乳幼児(4歳未満)無料
空港からの運賃が定額制に!ぼられないタクシー
公共交通機関よりは高額ですが、ストライキという非常事態では背に腹は代えられない上、なんといっても楽。それはタクシーです。
とは言っても電車やメトロが使えないということは、当然渋滞が考えられますね。でも通勤通学の時間を避ければ空港からのタクシーは待機してくれていそう!しかも、パリ・シャルル・ド・ゴール空港とパリ市内間のタクシー料金が定額制になったので、渋滞でどんどん値段が跳ね上がるなんてことはありません。3人ならタクシーが断然おすすめですね。
ただし、タクシー業者を装う白タクも多いので、正式な到着階出口乗り場に停車しているタクシーを利用しましょう。
2019年現在パリ・シャルル・ド・ゴール空港⇒パリ市内は行先によって €50と€55 の2通りのみです。
ストライキで苦労してやって来たパリ。凱旋門が見えてきたら感動で号泣しそう
世界中で重宝されているUberですが、パリのストライキ時は思い切り足元を見る運転手が続出するようです。
2019年9月のストライキでは、3倍もの値段を要求してきたUberの運転手も報告されています。
とはいえ非常時の場合は仕方がありません・・・それでも乗る人がいるのでしょう。躊躇していると他の観光客に取られてしまうので、納得できる範囲の金額なら乗車しましょう。
それに非常時でも、自分のいる場所まできくれるのは、やはりありがたいですよね?
足元を見られますが自分のいる場所まで来てくれると安心。非常時なので割り切りましょう
メトロを利用せずフランス旅行とパリを楽しむ方法!
郊外への旅は現地発着ツアーに切り替え
シャルル・ド・ゴール空港から、パリに入り、さらに電車で郊外に出る計画を立てていた人は、ストライキが決定した場合、今回は電車の旅はあきらめましょう。でもそんな時、現地発着のツアーがたくさんあります。魅力的なパリの電車で自由度の高い旅は楽しめませんが、緊急事態ですから割り切りましょう。安くて楽でいいじゃないですか!きっとバスの中は今回のストライキでツアーに切り替えた人もいっぱい。旅のハプニングを乗り越えようという仲間たちと、意気投合!友達もできたりして・・・。
旅のハプニングをツアー仲間で笑い飛ばそう!
世界遺産をレンタルサイクルで駆け抜けろ!
パリ中心に動く人は、逆にストライキにあやかり健康的にパリを楽しんでみては?
パリの街は意外に小さく、メトロがつかまらなくても自転車でまわれば、世界遺産や美術館をガンガン制覇できますよ。しかも「モンマルトルの丘」の付近以外はあまり急な坂はなく、自転車で巡るには最適の街です。
こんな時こそ利用したいのが、パリ市のレンタルサイクル「ヴェリブ(Velib’)」。パリ市のいたるところに自転車が置かれたステーションがあります。スタンドで登録する必要がありますが、その後はどこのステーションでも借りられ、どこのステーションでも返却できます。今回はストライキということもあり、多くの人が自転車をレンタルするはず。事前にアプリをダウンロードしておくと、どこのステーションにどれくらい台数が残っているかがひと目でわかるので、おすすめです!ただし、日本より自転車に対してのルールが厳しいので、ご注意を!
パリのレンタルサイクル「ヴェリブ」については「最旬情報」の他の記事に書いているので、必ずそちらをチェックしてくださいね。パリの自転車のルールについても書いているのでお役に立てるはず。
なーんだ。メトロ止まってても「ヴェリブ」さえあれば超楽勝じゃん!
なんとパリにレンタル・キックボートも登場
先ほどフランス人はストライキが起きても「またかー」という感じだとお伝えしたと思います。しかし「またかー」でそのままにしているほど、のん気な性格ではありません。何と言っても権利は主張する人たちですから。
という訳でレンタルできるものは自転車だけではありませんよ!なんとパリにはレンタルキックボート(Trotinette)まであるのです。その名も「Lime-S」。ありとあらゆる方法でストライキの期間を乗り切る・・・これがパリジャンなのです。
「Lime-S」使用法はアプリをダウンロードして置き場を検索するところからはじまります。ところが人気がありすぎて置き場をビルの中に隠している場所もあるので、最初から「キックボートがなければ困る」という力の入れ方ではなく、歩きがメインの観光途中でアプリを見て「あれば使う」、というような利用方法で使いましょう。大通りの利用は、くれぐれも気を付けて!
決して遊んでいるわけではありません
メトロがだめならバトビュス(BATOBUS)があるじゃない!
かのマリー・アントワネットの名言「パンがないならケーキを食べればいいじゃない」にあやかり、大声で言わせてください・・・
「メトロがだめならバトビュス(BATOBUS)があるじゃない」
そうです。実はパリのメインの観光地に、メトロは必要ありません!パリのシンボルセーヌ川に身をゆだね、パリ観光を楽しめる「セーヌ川クルーズ」があります。
「だってセーヌ川クルーズは高額じゃない」
と言い返されそうですが、セーヌ川クルーズの船はディナークルーズ船からシーバスレベルまで種類があります。
バトビュスというのは、シーバスそのもの。予約も不要で乗り降り自由。運行も20分~25分おきの上、なんと、有名観光地に船着き場があるという大変便利なボート。
◆バトビュスのルート
凱旋門→エッフェル塔→オルセー美術館→サン・ジェルマン・デ・プレ→ノートルダム寺院→パリ植物園→市役所→ルーブル美術館→凱旋門
上記観光地は船着き場の近くの場合もあれば、少し歩く場合もあります。そして、さらにこれらの近くの観光地やレストランを把握していれば、パリの観光はほぼ完ぺきなのではないでしょうか。
チケットは1日券と2日券のみ(2日券は連続した2日)。2日券を買ってしまえばびっくりするほどお得な上に、パリの観光地制覇は間違いなさそう。
料金:()内は子供(3~15歳)料金。それ以下はもちろん無料です!
1日券/€17(€8)2日券€19(€10)
なんと1年券があり、€60(€38)!1年乗り続ける人は、タダみたいなものですね!でも、ストライキ中、1週間程度パリ観光をする人は、1年券を購入して毎日バトビュスで観光や食事に出かければ、かなりお得にパリ観光を楽しめます。
メトロがストライキで閉鎖していても、快適なパリ観光ができます!
12月5日から始まるパリのストライキで旅行のキャンセルは不要!
フランスはストライキが当たり前に起きる国です。
でもストライキの種類さえわかれば、旅行自体をキャンセルする必要はありません。
ストライキが当たり前だからこそ、パリジャンたちは、ストライキの回避のすべを知っていて、観光客もそのツールを使えるからです。パリで2019年12月5日から無期限のストライキ、と聞くと、旅行を計画している人は不安だと思います。でも割り切ってしまえばメトロほかパリ交通公団の公共交通機関が使えず、車の利用が多くなるから道路で渋滞が起きる・・・ということだけ。
シャンゼリゼ通りのクリスマスマーケットや、年末のカウントダウンほかパリの12月から1月は最高に楽しい時期なので、旅行はキャンセルせず、逆にいつもと違う楽しみ方でフランスやパリを楽しみましょうね。
冬のフランスはきれいですよ!
ハプニングの多い国はツアーでの手配が安心
フランスのストライキは1年に何度も起き、閉鎖・運休対象も毎回異なります。そんな時、個人旅行だと少々不安になりますよね。しかもこのストライキ、いつ起きるかわからないというクセ者。何ヶ月も前にチケット予約をしていると、旅行中にストライキがかぶってしまう、ということは、特別ではなく、本当によくある話なのです。
交通網が麻痺する恐れがある時、状況に合わせた現地オプショナルツアーや半日ツアーをアレンジ手配してくれるトラベル・スタンダード・ジャパンなら安心。Web上の格安ツアー会社は多々あれど、現地で緊急連絡ができない会社もたくさんあるので、気をつけてくださいね。