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未知なる秘島フーコック(後編)

未知なる秘島フーコック(後編)

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7年越しの新婚旅行に行くこととなり、
第一条件 綺麗なビーチで劇寒の日本の冬を忘れて全身の筋肉を緩めたい
第二条件 物価が安い国で思いきり五感を刺激したい
第三条件 癒し旅なのに移動なんかで疲れたくない
第四条件 アジア人観光客が少ない場所で非日常を堪能したい
第五条件 生涯心に残る絶景と料理に出逢いたい
これらをすべて満たすヴェトナム最後の秘境「フーコック島」への旅が決まった。

『未知なる秘島フーコック』後編をどうぞ。

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3日目
出会いの連鎖 さらなるフーコックの魅力を発見

優雅なノボテル フーコック リゾートを去る日。
チェックアウトをし、ホテルのシャトルでDUONG DONG TOWNまで送ってもらい、そこからタクシーで、島北側のリゾートへ向かう。

今日からお世話になる『Green Bay Phu Quoc Resort & Spa』は、2017年にオープンしたばかりなのに、すでに高評価を得ている隠れ家リゾートだ。ジャングルを切り開きながらも、自然をバランス良く残している。

Green Bay Resort & Spa
清潔感のある明るい部屋”Private Beach Villa”

周りには、ビーチ以外何もない。鳥と虫の声が聞こえる静けさだ。スパとプライベート感をじっくり楽しみたかったので、”Private Beach Villa”を予約した。バルコニーにバスタブが付いていて、海を見ながら全身癒される予定だったが・・・島のお湯事情のせいで、湯はりは勢い悪く数センチで止まってしまった。ホテルマネージャー曰く、今後改善していきたいとのこと。

Green Bay Resort & Spa
宿泊したらぜひ体験したいスパ。事前の予約がおすすめ

また、木々と光に包まれたベッドが優雅なスパは、人手不足のため、あいにく宿泊期間中に予約が取れなかった。宿泊予約と一緒に予約することをおススメする。

マッサージを渇望していたので、ネットで一番近いスパを探してみた。リゾートからタクシーで15分程の『Lotus Spa』だ。ここからの、旅の醍醐味=人との出会いの連鎖が、キセキだった。間違いなくこの旅のベストシーンだろう。フーコック島の代官山(?)のような、穏やかで気持ちの良い通りにあった。ノンラーをかぶった美しいマネージャーが、笑顔で温かく出迎えてくれた。フーコック島一番の笑顔だ。驚くほど安かったが、肝心のマッサージは、うーん。。。もっとトレーニングを積んでください。

lotus spa
笑顔が素敵なマネージャーが出迎えてくれる『Lotus Spa』。マッサージ自体は・・・

cafe
おいしいヴェトナムコーヒーで束の間の休息

英語が堪能なマネージャーのオススメの向かいのカフェでヴェトナムコーヒーを飲む。カフェの店員のススメで、近くのÔng Lang beachへ、虜になったフーコック島のサンセットを見に行くことに。

この時に乗ったタクシーがまぁ酷かった。カフェのスタッフが運転手に行き先を説明してくれたのだが、英語も話せず、道もわからず、しまいには誰かの私有地で勝手に降ろされた。自分の方向感覚だけを頼りに、コテージリゾートの敷地内の階段をくだり、ダイニングの横を通り、どこにいるか分からない自分達が何だか不安で楽しかった。そして絶妙なタイミングで辿り着く。赤いパラソルが均等に並んだ砂浜が、金色に照らされていた。昨日とはまた違う顔の夕日。上品で大人な輝きだった。

Ông Lang beach
Ông Lang beachの美しいサンセット

生きる力みなぎるビーチバーの店員は、数ヶ月間、観光客と接しただけで、英語が堪能になったという。リアルフーコック島を聞けて実に面白かった。私たちが初めて出会った日本人だったらしい。彼が知っている日本は、”AJINOMOTO”だけだった(笑) 日本が知られていない土地にいると、自由度も増し、更に心が解き放たれる。日本人は金持ちだと思われないから、ボッタクられないし、物売りも寄ってこない。知る人ぞ知るビーチの木にぶら下がったブランコに腰かけ、優雅にサンセットを味わった。

タクシーが通らない場所なので、来た道を歩いてみることにした。木々の香りに癒される静かな道を進んで行くと、秘密めいたリゾートホテル『Ong Lang Village』や新しげなオープンダイニングがひっそりオシャレに建っていた。今回予約が取れなかった人気の『Mango Bay Resort』も、確かこの近くだ。発見が楽しい散歩道だ。発見はまだまだ続く。

Ong Lang Village
秘密めいたリゾートホテル『Ong Lang Village』

→ヴェトナム最後の秘境 フーコック島ツアー

突如、極めてオシャレな横長のショップが出現する。『TENUEE VN』。窓に飾られたボヘミアンやリゾートファッションは、ディテールまでお茶目で素敵だ。照明がついているのに、なぜか店の扉がビクともしない。諦めきれずよくよく見ると、”ベルを押してね”とサインがあった。呼び鈴を鳴らしても、誰も現れない。

泣く泣く諦めかけたその時、スタイリッシュなスペイン人マダムが輝く笑顔で開けてくれた。店内は色鮮やかで、細部のこだわりがとびっきりカワイイ洋服と雑貨が幸せそうに飾れていた。聞くと、スペインのデザイナーの作品を厳選して、フーコック島とタイのショップで販売しているらしい。なかなか見かけないデザインに魅了され、”次は東京に進出してね♪”と思わずリクエストをしてしまった。持ちきれる限界の数の洋服と帽子を購入し、大好きになったマダム店主にオススメされた場所へと向かう。

TENUEE VN
スタイリッシュなスペイン人マダムのお店『TENUEE VN』

TENUEE VN
スペイン人デザイナーが手掛けたカワイイ洋服や雑貨の数々

『goca』は、フーコック島で一番オシャレな、お酒が飲めるギャラリーだと言う。和を感じさせる雰囲気なので、日本語の五感の派生語かと思ったが、いやいやGallery of Contemporary Artの略だ。暗がりの入り口に足を踏み入れると、神秘的なアートバーが、別世界へと誘う。体感できるアートも楽しめて、お酒だけではなく、空間にも酔えそうなシュールさ。見るだけでもいい、飲むだけでもいい、話してるだけでもいい、そんな気ままな感じが、楽に思える。

goca
お酒も飲めるおしゃれなギャラリー

別世界から元の世界へ。もう少し歩くと、Lotus Spaの通りに戻る。今宵のディナーは、これまたSpaマネージャーオススメの一つ、店前でBBQをしている『Vuon Sim Restaurant』に入ることにした。魚介類に飽きてきた頃、鶏や春巻きなども挑戦してみたが、やはり魚のホイル焼きが、感動までには至らずとも、一番美味しかった。混雑にめげて入らなかった向かい斜めにある『No Name BBQ』は、行列をなす人気店だった。きっと、相当美味しいのだろう。

何とも表現できない、大人の冒険をしたような深くて幸せな一日だった。
人との出会い、交わした言葉で、こんなにも楽しい発見があるなんて。

4日目
美しいGreen Bayでビーチを思いっきり堪能

明日はいよいよ別れの時。ビーチリゾートに来たのに、ビーチを堪能していないことに気づく。焦って早起きをし、慌てて朝食をとる。『Green Bay Resort & Spa』の朝食もチーズ、サラダやパンの種類が豊富で豪華だ。中でもフォーが特別美味しい。


『Green Bay Resort & Spa』の朝食


チーズ、サラダやパンの種類が豊富でうれしい
フォーが一番のお気に入り

レストランの目の前に広がるビーチに飛び込む。南の海とは色が違う、深いグリーンの海。あぁ、だからGreen Bayなんだ。リゾートのシュノーケル、カヤック、ライフジャケットを借りて、海をもぐってみる。海水が塩っぽくないので、いくらでも泳げそうだ。手で掴めそうなくらい、かなりの数の魚達が泳いでいる。顔を上げてみれば、太陽に照らされた海面から、いっせいに魚が宙を舞っていた。飛び魚の群れにつつまれたのだ。幻か???キツネにつままれた気分だ。一瞬の世にも美しい、至福の光景だった。

フーコックGreenbay
Green Bayの名のとおり深いグリーン色の海

→ヴェトナム最後の秘境 フーコック島ツアー

ランチにはリゾートのもう一軒のレストラン『DREAM BAY RESTAURANT』へ。
ビーチフロントの絶景ロケーション。ウェディングパーティーに、よく使われているらしい。海に突き出した小道の先端には、ロマンティックなスウィートシートが!


ベトナム料理が楽しめる『DREAM BAY RESTAURANT』


ウェディングに使われるのも納得のロケーション

店員さんオススメのヴェトナム家庭料理のBunCha(肉団子の入った米粉つけ麺)、海老の串焼き、シーフード炒飯を注文する。どれも美味だったが、BunChaの甘酸っぱウマさが斬新で格別だった。


どれもとっても美味しい


肉団子の入った米粉つけ麺 BunChaは絶品

海岸を散歩し、先程のビーチへ戻る。夕方になると海水はかなり温かくなり、温泉気分で海の中でサンセットを見ることができる。心身豊かに潤って、極楽のひと時。日頃ガマンをしていると、神さまはとんだご褒美をくれるもんだ。最後の夕日を見ながら、フーコック島で巡りあった幸せを心にビッシリ刻んだ。

帰国して

フーコック島は、旅の上級者にもまだあまり知られていない。旅した自身も、心に刻んだ記憶が衝撃的すぎて、大切な友人にも上手に伝えられないでいる。豪華で優雅なおもてなしは無いが、素朴なのにドキドキする意外性が詰まっている。大人になって忘れてしまった躍動感を思い出させてくれる、面白みのある異空間だ。手つかずの宝島で、大人の冒険をしたと思う。それでも、まだまだ濃密な宝が潜んでいそうだ。

人気の建築家ビル・ベンスリーが手がけた『JW Marriott Phu Quoc Emerald Bay Resort & Spa』がオープンしたことからも、世界中で沸騰しそうな兆しを感じる。カジノも、最新リゾートも建設中だと聞いた。フーコック島の北端にある『Vinpearl Phu Quoc Resort』は、ゴルフ場、動物園、ウォーターパークなどを兼ねそろえたファミリーみんなで楽しめるパークリゾートだ。ママには嬉しい託児サービス(有料)がある。次は、ぜひ子連れで旅してみたいと思う。

フーコック島は、秘島であり続けてほしい。だが、ジャマされない”ヴェトナム最後の秘境”を体験できるのは、あとわずかだろう。大事な人と、そっと大切に、旅してほしい。

フーコック島旅行についてはこちらも
参考にしてください

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